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喪失感を抱いて苦しい…心が楽になる方法はある?
人生は、出会いと別れの繰り返しです。心が満たされるような幸せな時期もあれば、やがてその幸福を手放さねばならない日もやってきます。私たちは長い人生の中でさまざまな出会いや別れを繰り返しながら痛みを知り、少しずつ成長して優しさを身に付けていきます。
しかし時には別れによる悲しみに耐えられず、喪失感に苦しんでしまうこともあるでしょう。大切なものを失うと喪失感を抱くのは自然なことですが、気持ちが切り替えられないままだと精神的にも前向きになれず、つらい時期が長引いてしまいます。
今回は、喪失感を抱く原因や対処法などをご紹介します。失ってしまった存在が大切なものであるほど、思い出や経験を未来につなげていくことが大切です。いつか笑顔で振り返るためにも、今は自分の心を大切にしながら喪失感と向き合っていきましょう。
喪失感の意味とは
「喪失」の意味とは、何かをなくしてしまうこと。「喪失感」とは、大切なものを失ったときのむなしい気持ちを指します。心にポッカリと穴があいてしまったような空虚さが特徴で、人によってはショックのあまり現実感をなくしてしまうような感覚になります。
喪失感によって苦しむ大きな原因は、かけがえのない存在との別れです。例えば、出会って間もなくほとんど関わりがない人と別れることになっても、ショックを受ける可能性は少ないですよね。しかし何年も連れ添った恋人や子どもの頃からの親友などとの別れはショックが大きく、喪失感に苛まれます。
自分のライフスタイルや人格形成にまで影響を与えるほど、身近で大きな存在との別れは、言いようもないほどの悲しさや寂しさを伴います。喪失感はネガティブな感情を増幅させ、前向きな心を失わせてしまうでしょう。
喪失感を抱く原因
ここでは、喪失感を抱く原因として挙げられるものをご紹介します。喪失感を抱くと、日常生活や仕事にも影響が出てしまうものです。自己嫌悪の気持ちを重ねてしまう前に苦しみの原因を理解し、改善方法へとつなげていきましょう。
1.失恋・恋人との別れ
失恋や恋人との別れを経験すると、大きな喪失感を抱いてしまいます。恋人は、人によっては家族よりもありのままの自分を見せている存在です。長く一緒の時間を共有しているうちに、まるで自分の一部かのような感覚を持つこともあるでしょう。
失恋は、自分の心の片割れをなくしてしまうような体験です。世界で一番といえるほど自分のことを愛してくれていた人の気持ちが失われてしまう……。そのつらさは時間とともに喪失感に変わり、自分の価値すらもわからなくなってしまいます。
2.大切な存在との死別
生き物は、すべての命が平等にいつか終わりを迎えます。生きている限り死は避けられないものであり、どんなに大切な存在ともいつかは死をもって別れなければならないのは周知の事実です。しかし頭では分かっていても、実際に大切な存在の死と直面すると現実を素直に受け入れることは困難です。
家族や恋人、ペット、友達など、大切な存在が亡くなってしまうと「もう二度と一緒の時間を過ごすことはできない」という現実に打ちのめされます。死んだ命は二度と生き返ることはありません。残された自分が苦しみを乗り越えなくてはならないとは理解していても、大きな喪失感に苛まれてしまうでしょう。
3.努力が報われなかった
長年の努力が報われなかったときには、今までかけた時間やお金、労力のコストを思い返して喪失感を抱いてしまいます。人は誰しも、目標を持たずに努力することは困難です。マラソンには必ずゴールが設定されているように、明確な目標があるからこそ能力を発揮することができます。
時には自分の限界を超え、他のものを犠牲にしてまで努力しなければならないシーンもあるでしょう。結果、そのすべてが報われずに終わってしまった場合は喪失感や絶望感に苦しむことになります。「失敗も経験だ」とすべての人が割り切れるわけではないのです。
4.達成感や充実感を抱いた後
大きな達成感や充実感を抱いた後に、喪失感に苛まれることがあります。努力が報われなくても喪失感を抱くものですが、仮に報われたとしても精神的に燃え尽きてしまう場合があります。目標達成後に生きがいがなくなってしまい、毎日無気力な状態で過ごしてしまうこともあるでしょう。
例えば大きなプロジェクトを成功させた後や、長い受験期間が終わった後などに喪失感を抱きがちです。目標が達成された後は今までとは違うライフスタイルが始まりますが、体と心が生活の変化に付いていけなくなるのです。「必死になれる何か」を失ってしまい、虚無感や喪失感に悩まされます。