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もう疲れた…人生どうでもいい…
人生は、よいことと悪いことの繰り返しです。「嫌な出来事の後にはきっと楽しい出来事が待っている」と思おうとしても、ネガティブになる出来事が連続して発生すると気持ちが落ち込んでしまいます。時には「もう人生どうでもいい」と思ってしまうこともあるでしょう。
投げやりな気持ちを抱えたまま毎日を生きていると、自分も周りも傷つけてしまいます。感情的な行動は大きな後悔を生み、自己嫌悪の末に人生に対してさらに悲観的に。「すべて投げ出したい」と思っているときこそ、どこかのタイミングで気持ちを切り替えて問題と真摯に向き合う必要があります。
今回は、人生がどうでもいいと思ってしまっている状態を抜け出す方法をご紹介します。人生に希望を持てていないと、人間関係や仕事も雑になってしまうもの。前向きな気持ちを取り戻して、日々の生活を丁寧なものにしていきましょう。
何もかもどうでもよくなってしまう原因は?
ここでは、何もかもどうでもよくなってしまう原因として挙げられるものをご紹介します。「もういいや」と思ってしまう人には、それまでに努力や苦労を重ねてきた背景があるものです。自分のがんばりを認めつつ、心の変化を振り返ってみましょう。
1.長年の努力が報われなかった
長年の努力が報われなかったときには、人生に投げやりになってしまいがちです。目標のために努力している人は、時間やお金などのさまざまなコストを支払っています。人によっては人間関係を犠牲にしてでも、目標達成のためにまい進してきたことでしょう。
目標が達成できないということがわかると、「今まで自分がかけてきたコストがすべて無駄になった」と感じてしまいます。実際は努力や経験自体にも価値があるものですが、報われなかったという一点のみに意識が向いてしまいむなしさを抱いてしまうのです。
2.信頼していた人から裏切られた
信頼していた人からの裏切りは、人間関係に絶望感を抱かせます。人から裏切られることで人間不信に陥り、「もうどうでもいいや」という気持ちになり他者に期待しなくなってしまいます。とくに親友や恋人など、自分が心を開いていた親しい人物による裏切りはショックが大きいものです。
今まで楽しい時間を一緒に共有していたからこそ、裏切られたことによって過去の記憶すらも否定された感覚になります。精神的な距離が近い人物であるほど喪失感も大きく、「自分は裏切ってもいいと思われるような人物なのか」と自己価値に疑問を抱いてしまうでしょう。
3.他人の才能を見せつけられた
普段から一生懸命努力している人ほど、他人の才能を見せつけられたときに意気消沈してしまいがちです。例えば、自分が長い期間をかけて手に入れたスキルを短期間で会得してしまう人を見ると、「自分がどれだけがんばっても、どうせこの人には勝てない」とむなしい気持ちになり、努力自体をやめてしまうこともあるでしょう。
努力の末に高い技能を手に入れても、上には上がいるものです。天才型は一握りのため、基本的には努力をコツコツと積み上げていくものですが、圧倒的な才能を見せつけられると自分の小ささや平凡さを突き付けられた気持ちになり、「どうせがんばっても無駄だし、もういや」と思ってしまいます。
4.大切な存在を失ってしまった
大切な存在を失ってしまったときには、「もうどうなってもいいや」という気持ちになります。家族や恋人、親友、ペットなどの大切な存在は、一緒に過ごしているうちに自分の一部のように感じるものです。それらを失うことで、心に大きな穴があいたような喪失感を抱いてしまいます。
まるで自分が自分でなくなってしまったような感覚になり、大きなショックを受けたことで現実感がなくなることも。今まで自分が積み重ねてきたキャリアや努力も、突然何の価値もないもののように感じてしまうことがあります。「大切な存在がいなくなってしまった世界や人生なんて、どうでもいい」と感じ、投げやりな生き方を選択してしまうのです。
周りの意見を否定ばかりするようになったら要注意
私たちは日々多くのストレスに晒されているため、「人生どうでもいい」と思うこと自体は珍しいことではありません。一人ひとりの人生にはそれぞれの挫折や失敗があり、心がくじけてしまうこともあるでしょう。
人生に対して投げやりになってしまっても、ストレスを発散したり気持ちを切り替えたりすることにより、再び真摯な気持ちで人生に向き合えれば大きな問題はありません。しかしむなしさや悲しさが晴れないまま、周りからの意見やアドバイスに対して否定ばかりするようになっている人は要注意です。
人生に行き詰まっているときこそ、周りからのアドバイスに耳を傾けたほうがよいシーンは多いもの。自分だけの価値観で物事を測り、悲観的になっているままではいつまでも虚無感から抜け出せません。「最近、周りにイライラしてばかりだな」と気付いたら、考え方や人との接し方を省みてみましょう。
「人生どうでもいい」と感じやすい人の特徴
人生に投げやりになるタイプは大きく2種類に分かれます。ひとつはもともと人生に期待しておらず無気力なタイプ。もうひとつは、特定の出来事をきっかけに「どうでもいい」と思うようになってしまったタイプです。
ここでは、「人生どうでもいい」と感じやすい人の特徴をご紹介します。自分がどちらのタイプに当てはまるのかを照らし合わせながら、改善方法につなげていきましょう。
1.完璧主義者
完璧主義の人は、自分の中に抱いた理想像から大きく外れるとむなしさを感じ、人生がどうでもいいと感じがちです。プライベートにおいても仕事においても「自分はこうありたい」「完璧な成果を出したい」と思っており、理想を叶えるために努力を惜しまないタイプです。
しかし世の中は不確定要素でなりたっているため、完璧主義な人でもすべてを100%の状態にすることはできません。理想との乖離を想定の範囲内として受け取れれば問題ありませんが、「完璧ではない=失敗」という考え方をしてしまう人は、今までの努力もすべて無駄になったかのように感じてしまいます。
2.何事にも興味がない
何事にも興味がなく無関心の人は、人生がどうでもいいと感じがちです。他人にだけではなく自分自身にもあまり興味を持っていないため、平凡に平和に生きていければそれでいいと思っています。昇給や出世などにも興味がなく、野心がありません。
人生に目標や野望が無いこと自体は悪いことではありませんが、目的のない日々を過ごしていると生きる意味がわからなくなってしまいます。「何かに興味を持とう」と思っても根本的に周りに関心がないため長続きしづらく、「何のために生きているんだろう」と虚無感を抱いたままに。
3.主体性がない
主体性がない人は、人生の選択肢を自分で選んでいるという自覚を持ちづらい傾向にあります。そのため困難な出来事に直面しても、どこか他人事のような感覚を抱きがちです。「困難を乗りこえて成長しよう」という気概を持てず、「どうでもいいや」と問題に向き合うことから逃げてしまうことがあるでしょう。
自分で選んだ選択肢であれば、問題に直面することも必然であると認識できるため、立ち向かう気持ちが芽生えます。しかし意思決定を他人に任せがちな人は、自分の人生は自分で決めるという感覚を持っていません。何でも人任せにしてしまうため、責任を持って問題解決に取り組もうとしないのです。
4.人間不信
人間不信がちな人は、自分以外の人に対して大きな期待をしていません。なるべく他者に深く関わらず、自分一人の力で生きていこうというスタンスを持っています。しかし実際は、他者とコミュニケーションを取らずに生きていくのは難しいものです。
プライベートでも仕事でも、他者との関わりがなければ限界を感じることがあるでしょう。信頼していない相手と協力しなければならない、相手を信頼している振りをしなければならないなどのストレスの中で、人生に虚無感を抱いて投げやりになってしまいます。
5.固定観念に囚われている
さまざまな固定観念に囚われている人は、人生がどうでもいいと感じてしまいがちです。例えば「自分はがんばっても周りに勝てない」「自分は女だから仕事ができても出世できない」「いつかは結婚するんだし、キャリアを築いても無駄になるだろう」などのように、固定観念で自分の可能性に制限をかけてしまっています。
努力が無駄になることを恐れ、最初からチャレンジを避けてしまいます。自分にも他人にも期待することのない人生にはむなしさを感じるものです。将来自分がどんな人生を歩むのかも想像がついてしまい、期待できない未来に絶望して現在の問題に対しても投げやりな言動を取ってしまいます。
投げやりな行動は自分を追い詰める可能性が…
人生にどうでもよさを感じて投げやりな言動を取ってしまうと、自分の置かれた状況をさらに悪化させてしまう可能性があります。例えば仕事やキャリアに対してどうでもよさを感じてしまうと、感情に身を任せて後先のことを考えずに退職届を提出してしまうこともあるでしょう。
心配してくれる周りの人に強い態度で当たったり、人間関係をリセットしたりしてしまうことも。「どうでもいい」という衝動に任せた行動は、自分も周りも不幸にしてしまいます。むなしさを感じているときこそ、冷静さを取り戻すために心のケアをすることが求められます。
「人生どうでもいい」と感じるに至るまでには、人それぞれの背景があるはずです。まずは、今の人生に納得感を持てていない原因と向き合う必要があります。時にはコンプレックスと対峙しながら自分らしさを取り戻し、冷静な選択をしていきましょう。
「全てがどうでもいい」と感じたときに試したい心のケア方法
ここでは、「すべてがどうでもいい」と感じたときに試したい心のケア方法をご紹介します。人生における虚無感を払拭するためには、精神的に余裕を持つ必要があります。まずは心と体を休めながら冷静な判断力を持ち、後悔しない日々の過ごし方を考えていきましょう。
1.周りの人とコミュニケーションを取る
人生がどうでもいいと感じたときには、周りの人たちとコミュニケーションを取ることをおすすめします。さまざまな価値観に触れることで人それぞれの人生の楽しみ方を感じられ、「自分の人生にも意味があるのかもしれない」と前向きに考えやすくなるでしょう。
幸せの形は一人ひとり違います。家族や恋人とのつながりを大切にしている人もいれば、お金や資産を増やすことを生きがいにしている人もいるでしょう。自分が「これが幸せだ」と思えていれば、どのような人生であっても納得感を持って生きることができます。人生の意義や生きがいのヒントを見つけるためにも、自分以外の価値観を取り入れることは重要なのです。
2.やりたいことリストを作る
人生に投げやりになっている人は、目的や目標がない状態で毎日を過ごしている傾向にあります。日々に楽しさを感じるために、やりたいことを考えてリスト化してみましょう。すぐに実現可能なものから年単位で計画を練る必要があるものまで、すべて書き記して構いません。
例えば「期間限定のスイーツを食べに行く」「将来的に独立して〇〇に住む」など、内容の幅が広くなっても大丈夫です。ほんの少しでも生きがいを見い出すことができれば、毎日の過ごし方も変わってきます。
3.一次体験を大切にする
「人生どうでもいい」と思っている人は、一次体験を大切にしましょう。人から聞いた話やインターネットで調べた情報だけで満足するのではなく、実際に自分の足で現場に向かって五感で体験することが重要です。
人生に投げやりになっている人は、自分の可能性に蓋をして将来を諦めてしまっている傾向にあります。しかし、実際にできるかどうかは行動に起こしてみないとわかりません。最終的に「できない」と納得して判断するためにも、まずは行動することを意識してみましょう。
4.自然に触れてデトックスする
毎日多くのストレスを受けていると、「こんなにがんばって生きる意味はあるのだろうか?」と疑問を抱いてしまうことがあります。自分が何のために生きているのかや何のために仕事をしているのかを再認識するためにも、定期的に心と体をリラックスさせることを心がけましょう。
おすすめの方法は自然に触れてデトックスすることです。太陽の光を浴びながら風を感じ、自然の中でゆっくり過ごす時間を設けてみてはいかがでしょうか。問題が直接解決できなくても、「なぜ自分は人生になげやりになってしまっているのか」「何をストレスに感じているのか」を整理整頓するきっかけになります。
5.クリエイティブな形でフラストレーションを発散する
人生に抱えているモヤモヤ感を発散するために、クリエイティブな形でフラストレーションを発散してみましょう。絵画や作曲、ブログ、日記などで、今抱えているストレスを言葉にすることをおすすめします。言葉にならない感情をあえて形にすることで、客観的に自分を見つめ直せます。
生産性がある形でモヤモヤを晴らすことで、自己価値を認識できて自己肯定感も上がり、物事に対して前向きな見方ができるようになる可能性も。人生に対して期待できない苦しみを抱えている人は、その気持ちのまま偽らずに形にしてもよいのです。
何もかも疲れたときに手放したい5つのもの
ここでは、人生の何もかもに疲れてしまったときに手放したいものをご紹介します。生きていると、知らず知らずのうちにさまざまな意識を背負ってしまうものです。時には精神的な荷物を取捨選択し、楽な気持ちで生きるためにいらないものを手放してみましょう。
1.こだわり
「何もかもどうでもいい」と思ったときには、こだわりを手放してみてはいかがでしょうか。こだわりや美学は、人生をより自分らしいものにするために存在しています。しかし、本来はこだわる必要のない部分に捉われてしまうと、美学は重荷となって人生の選択肢を狭めてしまうでしょう。
「絶対に譲れない」と思うポイントを選定して、それ以外の部分は周りや常識に合わせる柔軟性が大切です。こだわりを捨てることで選択肢が広がり、今まで見ようとしなかった世界の美しさに気付けるかもしれません。
2.プライド
プライドは、自分が自分らしくあるために必要なものです。プライドがなければ個人としての尊厳が持てず、他人に言われるがままの人生になってしまいます。しかしプライドは、時に自分の首を絞めることも。プライドが高すぎるがゆえに素直になれなかったり、チャンスを逃してしまったりすることもあるでしょう。
プライドを完全に捨て去る必要はありません。「ここは譲ってもいいな」と臨機応変に考え方を変えられる自分を目指しましょう。心の一番深い部分でプライドを持っていれば、表面的にどんな対応をしようとも「自分は自分だ」と強い自我を持ったまま日々を過ごせます。
3.周囲への期待
信頼できる仲間に期待を寄せることは自然な感情ですが、他者に期待をしすぎると主体性がなくなってしまいます。また他者が期待に応えてくれなかったときに、本来感じる必要がなかった失望感を抱いてしまうでしょう。
周りを信頼している気持ちや好感はそのままに、主体性を持ち「自分のことは自分でやる」「自分の人生は自分で決める」という気持ちを高めることをおすすめします。他者への期待度をよい意味で下げることで、対人関係におけるストレスが軽減されます。
4.プレッシャー
「何もかもどうでもいい」と感じてしまっている人は、知らず知らずのうちに大きなストレスを抱えてしまっている可能性があるでしょう。責任感やプレッシャーを背負う仕事をしている人は、ストレスが限界を迎えてしまう前に人事や上司に相談することをおすすめします。
とくに責任感が強い人は、自分の能力以上のプレッシャーを抱えてしまいがちです。自己犠牲の精神で周りをサポートしようという気持ちは素晴らしいものですが、自分が倒れてしまっては元も子もありません。人生に真摯に向き合う冷静さを取り戻すためにも、重責という精神的な荷物を下ろしてみてはいかがでしょうか。
5.高すぎる理想
理想を高く持つことは、向上心を持って生きるためには大切です。しかし高すぎる理想を持っていると現実の自分とのギャップを感じ、精神的に追い詰められてしまう原因になります。
「がんばっても理想に届かない」という絶望感や自分への失望感から、人生に投げやりになってしまうこともあるでしょう。時には理想を少し下げ、モチベーションを保つことを優先して構いません。現実的な目標を設定し、小さな成功体験を何度も繰り返しながら少しずつ理想を高めていきましょう。
感情的になってしまう前に、体と心を休めよう
今回は、「人生どうでもいい」と思う人の原因や特徴、対処法などをご紹介しました。
人生は楽しいことばかりではありません。時にはさまざまな不安や悩みが重なり、精神的に余裕がなくなってしまうこともあるでしょう。人は抱えられるストレスの量に限界があります。ストレスが心のキャパシティを超えると、思考がストップして「もうどうでもいいや」と思ってしまいがちです。
本来は考えなくてはいけない問題があるのに、体が考えることを拒否していたら注意が必要です。感情的な行動を取って後悔してしまう前に、身近な人に相談したりカウンセリングを利用したりなどの対策を取っていきましょう。
※この記事は、悩んでいる方に寄り添いたいという想いや、筆者の体験に基づいた内容で、法的な正確さを保証するものではありません。サイトの情報に基づいて行動する場合は、カウンセラー・医師等とご相談の上、ご自身の判断・責任で行うようにしましょう。