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コーヒーを飲むと眠くなるって本当?

「コーヒーは眠気を無くす」といわれることが多いですが、「コーヒーを飲むと眠くなる」という方も少なくありません。コーヒーは、飲む量やタイミング、体の状態によって眠気につながることがあります。
この記事では「コーヒーを飲んでいるのに眠くなってしまう」と悩んでいる方に向けて、コーヒーを飲んで眠くなる理由や、眠気覚ましに効果的な飲み方を紹介していきます。
コーヒーを飲んだときに眠くなる理由
コーヒーには覚醒作用があることから、眠気が覚める飲み物として朝食の際や仕事中に飲まれることが多いです。しかし中には「コーヒーを飲むと急に眠くなる」「眠気が無くならない」と言う方もいます。
ここからは、コーヒーを飲むことで眠くなる理由について詳しく説明していきます。
1.必要以上に覚醒してしまっている
コーヒーを飲むと眠くなるのは、コーヒーを飲むことで必要以上に覚醒してしまっていることが原因かもしれません。
コーヒーを飲むとカフェインによって脳が覚醒します。しかし効果は一時的なものであり、ずっと続くわけではありません。コーヒーを飲んで覚醒作用が必要以上に働き、その反動で効果が切れたときにより眠気を感じてしまうのです。
2.砂糖やミルクで糖質を入れすぎている
コーヒーを飲むと眠くなるのは、砂糖やミルクを入れすぎていることが原因かもしれません。
砂糖やミルクを多く入れると、血糖値が急激に上昇します。人間は、血液の中で糖質を脳の働きを活性化させるブドウ糖に分解します。
しかし血糖値が急激に上昇すると、血糖値を下げる働きを持つインシュリンを分泌します。インシュリンの効果が働きすぎると、ブドウ糖が分解・吸収されてしまいます。その結果ブドウ糖が不足してしまい、脳の働きが弱まり眠気を引き起こしてしまうのです。
そのため、コーヒーを飲むときに加糖のコーヒーを飲むことが多い方や砂糖やミルクを多く入れる方は、コーヒーを飲むことで眠気を感じる場合が多いようです。
3.日頃からカフェインを多く摂取している
日頃からカフェインを多く摂取していると、コーヒーを飲むことで眠くなる可能性があります。
カフェインは緑茶や紅茶、チョコレートなど多くの食べ物に含まれています。カフェインを大量に摂取していると、カフェインを摂っても眠気が覚めにくい体質になってしまいます。
カフェインは、体内でアデノシンが作用するために結合しなければならない場所(受容体)に結合します。その結果、アデノシンが受容体に結合できなくなり、働きが阻害されて神経を興奮させることで眠気を覚まします。
しかし、日常的にカフェインを摂取し眠気を覚ましていると、身体に蓄積した疲労を解消するために神経を鎮静させる作用を持つアデノシンが増殖します。これにより、アデノシンが受容体と結合しやすくなり、カフェインを摂っても眠気が覚めにくくなる現象が起きてしまうのです。
参考:農林水産省「カフェインの過剰摂取について」
メリットがたくさん!コーヒーの嬉しい効果

コーヒーは眠くなるのを防ぐこと以外にもメリットがたくさんあります。ここからは、コーヒーを飲むことで起こる嬉しい効果について紹介していきます。
1.覚醒作用
カフェインによる覚醒作用がコーヒーを飲むことで起こる嬉しい効果の一つです。
カフェインは「アデノシン」の構造と似ています。本来「アデノシン」はアデノシン受容体とくっつくことで、覚醒作用のある「ヒスタミン」の分泌を抑えます。ところが、コーヒーを摂取すると、カフェインがアデノシン受容体とくっついてしまい「ヒスタミン」の分泌を抑制できないため覚醒してしまうのです。
また、血液の中でカフェインの効果が薄れてくるのは、健康な人の場合、摂取してから2時間半~4時間半後と言われています。
コーヒーを飲んで眠気を覚ます場合、たくさん飲み続けるのではなく、カフェインの血中濃度が薄れるタイミングで飲むのが効果的であると言えるでしょう。
参考:カフェインと脳の働き – コーヒーと健康
:国立精神・神経医療研究センター
2.基礎代謝アップ・むくみ改善
コーヒーには基礎代謝をアップしたりむくみを改善したりする効果があります。カフェインを摂取すると基礎代謝率が3~11%上がり、カフェイン量が多いほど基礎代謝率が高まることがわかっています。
また、カフェインには利尿作用があるため、体内の老廃物や不要な水分が尿として排出されることでむくみの解消にも効果的です。
このように、コーヒーには基礎代謝アップやむくみ改善など、体の調子を整える作用があります。
参考:ヘルスUP 日経Goody 30+「カフェインが気になる コーヒーは1日何杯までOK?」
3.肥満予防・美容作用
肥満予防や美容作用もコーヒーを摂取することで得られる効果です。
コーヒーに含まれているカフェインは、脂肪の代謝を活発にする働きがあるため、肥満予防に役立ちます。
また、コーヒーに入っているクロロゲン酸には抗酸化作用があり、脂肪の分解促進や血圧を下げるのに効果的です。他にもクロロゲン酸には、紫外線による活性酸素を除去しシミの発生を抑えてくれる作用もあり、美肌効果も持ち合わせています。
コーヒーは、眠気を覚ますだけではなく肥満予防や美容など、多くのメリットがあるのです。
参考:ucc「脱カフェインコーヒー生豆抽出物の糖質分解酵素阻害活性とクロロゲン酸類の寄与について報告」
:公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット