睡眠の質を高めたい!すぐに始められる方法はある?
睡眠は生きる上で欠かせない行為です。食事と同じように毎日必要な睡眠の質が下がると、生活全体の質も下がってしまいます。反対に、毎日のように良質な睡眠をとることで日々のストレスがリセットされ、より自分らしい生活を送れるでしょう。
とはいえ「睡眠の質を上げる方法がよくわからない」という人も多いのではないでしょうか。日々の仕事や勉強が忙しく、睡眠環境の改善にまで手が回らないケースもあるでしょう。無理のない範囲で改善するためには、まずは睡眠における課題を認識することが大切です。
今回は、睡眠の質を高めるために必要な知識や、今日からでも導入できる習慣をご紹介します。良い睡眠の定義や睡眠が与えてくれるメリットを知り、ライフスタイルに役立てていきましょう。
睡眠の質を高めるために知っておきたい知識
ここでは、睡眠の質を高めるために知っておきたい知識をご紹介します。現在の睡眠環境を改善するためには、まず睡眠の質を下げている要因を認識する必要があります。快適な睡眠を手に入れるために、睡眠の基本について学んでみましょう。
1.上質な睡眠の定義
睡眠の質を上げるためには、まずはゴールとなる「上質な睡眠の定義」を認識することが大切です。以下に、厚生労働省が定めた良質な眠りを満たすための条件をご紹介します。
- 個人に必要な睡眠の量が確保されていること
- 日中に過度な眠気や意図しない居眠りが生じないこと
- 日中の心身の状態が自分の生活スタイルにとって適切な状態であること
つまり良質な睡眠とは、毎日8時間寝ることでも休日に寝だめすることでもないのです。睡眠という私たちに欠かせない営みの中で、自分に合った眠りのタイプを認識し、実行し、日中の生活に反映させていくことを指します。
参考:厚生労働省「第3章 より健康的な睡眠を確保するための生活術」
2.睡眠に適した温度・湿度
厚生労働省の定義によると、人間の睡眠に適した温度は13~29℃、湿度は40~60%といわれています。季節ごとの気温の変化によって差はありますが、エアコンや加湿器を利用する場合はこれらの数値に近づくように設定しましょう。ベッド付近に湿度計や温度計を設置しておくことも推奨します。
人間の体は、身体内部の温度が下がっていくことで眠気を感じます。温度・湿度が高すぎると発汗による体温調整がうまくいかず、眠気を感じられません。また低すぎる場合は手足の血管が収縮してしまい、体から熱が出てきにくくなってしまうのです。
3.睡眠の質を高めるメリット
良質な睡眠を得ることで、心と体の疲労が回復できます。私たちは日々さまざまなストレスを感じながら生きており、眠りは一日の心身のストレスをリセットするための行為でもあります。そのため、日常的に質が高い睡眠を取れている人は情緒が安定しやすくなるといえるでしょう。
また良質な睡眠では熟睡感を得られるため、日中に眠気を感じにくいことも特徴です。勉強や仕事などで最大限のパフォーマンスを発揮でき、いきいきとした生活を実現できるでしょう。心に余裕ができるため思考力も上がり、集中力を維持しやすくなります。
4.睡眠の質が下がることのデメリット
睡眠の質が下がると心身の疲労がとれず、十分な睡眠時間を得られたのにもかかわらず熟睡感がなく、体にだるさが残ってしまいます。またなかなか寝付けない不眠の状態が続くと、生活習慣病や心の病気などのさまざまなリスクが高まってしまうのです。
質が低い睡眠が続くと日中に眠気を感じやすくなり、仕事上のヒューマンエラーや事故が発生する可能性も高まります。しっかり寝ているはずなのに眠いという状況が続くとストレスもたまり、日常のさまざまなシーンで生きにくさや集中力の欠如などに悩まされてしまうでしょう。
5.世代別の最適な睡眠時間
自分に適した睡眠時間は人によって変わりますが、厚生労働省によって世代ごとの平均的な睡眠時間が設定されています。
- 10代……8時間以上
- 成人以上……7時間
- 45歳以上……6.5時間
- 65歳以上……6時間
さらに生まれ持った遺伝子によっては、5時間以下の睡眠でも十分に活動できるショートスリーパー型や、10時間程度寝ないと眠気を感じてしまうロングスリーパー型などの違いが発生します。世代ごとの平均を参考にしつつ、自分に合った睡眠時間を認識することが大切です。