眠れないまま朝になった…どうすればいい?早急にすべき対策とは

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仕事や学校があるのに、眠れないまま朝になった…

「眠らなきゃいけないのになかなか眠気がこない」「眠れないまま目をつむっていたら、夜明けが近づいてきてしまった」……。そんな経験がある人は多いのではないでしょうか。眠れないまま時間が経過するごとに、ストレスもどんどんたまってしまいますよね。

眠りに関するトラブルは、体や心が不調を訴えているサインかもしれません。特に体は疲れているのに眠気を感じられない場合や、毎日のように不眠の症状に悩まされている場合は、解決をただ待つのではなく自ら生活や環境を改善していく必要があるでしょう。

今回は、眠れないまま朝になったときに考えられる原因や対処法をご紹介します。また不眠の症状が続くときに考えられる睡眠障害の種類についても解説していきます。ストレスの原因に立ち返り、無理のない範囲で改善方法を探していきましょう。

朝まで眠れない4つの原因

眠れないまま朝になったときは、今の自分が抱えている問題と向き合うことが大切です。ここでは、朝まで眠れない原因や寝付きが悪い原因をご紹介します。今まで過ごしてきた環境を振り返り、違和感を抱くシーンや我慢を強いられてきたシーンなどを思い出してみましょう。ストレスの原因にこそ、生活改善のヒントがあるものです。

参考:e-ヘルスネット(厚生労働省)「不眠症」

1.大きなストレスや悩みを抱えている

大きなストレスや悩みを抱えている人は、朝まで眠れないなどの不眠症状が現れやすくなります。特に神経質な人や生真面目な性格の人はストレスがたまりやすく、眠れない状態を気にしてさらなる不眠を誘発してしまいがちです。

眠る前にベッドの中でストレスの原因を思い出し、頭が冴えてしまうことも。イライラを感じると体が緊張し、どんどん眠りにくい状態になってしまいます。また精神的な疾患を患っていることが原因で、不眠の症状が現れているケースもあるでしょう。

参考:e-ヘルスネット(厚生労働省)「不眠症」

2.睡眠環境が合っていない

朝まで眠れない場合は、睡眠環境が合っていない可能性があります。例えば、枕や布団が劣化して自分の体に合わなくなっていたり、そもそもサイズや形の相性が悪かったりする場合もあるでしょう。また寝室の温度や湿度なども眠りに影響を及ぼします。

厚生労働省によると、快適な睡眠のために適した温度は20℃前後、湿度は40~70%前後、布団の中の温度は約33℃といわれています。エアコンや加湿器、除湿器などを上手に使えていないと、睡眠を妨げる原因になってしまうでしょう。

参考:国立精神・神経医療研究センター NCNP病院「温度、湿度と睡眠」

3.体が覚醒状態になっている

私たちの体は、交感神経が活性化したり覚醒作用があるホルモンが分泌したりすることで、覚醒を感じます。ところが、何らかの原因で就寝時にも交感神経が優位に働いたり、ホルモンの分泌が乱れたりすることで、本来なら眠る時間であるにもかかわらず目が冴えてしまうのです。

ホルモンバランスはストレスや不摂生な生活によって乱れる傾向にあるため、慢性的に不安を抱えている人は不眠につながりやすいといえるでしょう。また更年期障害でもホルモンバランスが乱れやすいといわれています。

参考:厚生労働省「眠りのメカニズム」

参考:厚生労働省「更年期障害」

参考:厚生労働省「広報誌『厚生労働』2020年3月号 特集」

4.睡眠障害を患っている

眠れないまま朝になった日が続く場合は、睡眠障害を患っている可能性があります。睡眠障害は生活に関わる深刻な問題ですが、目に見える症状や痛みとして現れないため、症状を軽視してしまうケースが多い傾向です。

また本人が悩んでいてもなかなか周りの理解が得られず、ときにはだらしない人というレッテルを貼られてしまう場合もあります。一過性の軽い不眠症状は誰にでも現れる可能性はありますが、日常生活に支障をきたすほど症状が顕著である場合は、できる限り早い受診が求められます。

参考:e-ヘルスネット(厚生労働省)「不眠症」

眠れないときに考えられる6つの睡眠障害のタイプ

睡眠障害では不眠のイメージが強いかもしれませんが、症状は眠れないことだけではありません。ここでは、眠れないときに考えられる睡眠障害のタイプを6つご紹介します。自身のタイプを知り、改善方法や治療方法につなげていきましょう。

※ご紹介する睡眠障害のタイプは、多種多様な病気の症状を大きく分類したものです。自身の睡眠障害や症状を分類するための参考として活用してください。

参考:厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針検討会報告書」

参考:SanpoNavi「専門医解説:「眠れないまま朝…」原因はストレス?睡眠障害6つのタイプと改善法」

参考:厚生労働省「睡眠障害」

1.不眠タイプ

不眠タイプは、寝るべきタイミングでなかなか寝付けなかったり、睡眠を維持できずに途中で起きてしまったりすることです。例えば、目をつむってもなかなか眠れない、一度夜中に起きてしまうと二度寝ができないなどが挙げられます。

不眠タイプは入眠困難・中途覚醒・早朝覚醒の3つに大きく分けられ、いずれの場合も睡眠不足や熟睡感が得られないことで翌日の体調に影響を及ぼします。なんとか入眠しようとお酒に頼ってしまうケースがあるため、アルコール依存症が懸念されるでしょう。

参考:厚生労働省「アルコール依存症」

2.呼吸タイプ

呼吸タイプは、睡眠中の呼吸が異常な状態になっていることです。睡眠呼吸障害を患っている可能性があります。具体的に、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状が代表的な睡眠呼吸障害です。睡眠時無呼吸症候群では寝ている間に呼吸が止まってしまい、血液中の酸素濃度が低下してしまいます。

多くの場合、一定の時間が経過すると呼吸は再開します。しかし、眠りが浅いため睡眠の質が下がり、朝起きても疲労感が取れない状況が続くのです。また睡眠時無呼吸症候群は心筋梗塞・脳梗塞・生活習慣病など、重大な疾患のリスクを上げるため、早めの治療が重要です。

参考:厚生労働省「睡眠時無呼吸症候群 / SAS」

3.過眠タイプ

過眠タイプは、日中に強烈な眠気を感じて起きていることが難しくなることが特徴です。ナルコレプシーや睡眠不足症候群が代表的な病気です。けがや事故のリスクが上がるだけではなく、周囲との円滑なコミュニケーションや人間関係の構築が困難になってしまいます。

睡眠不足症候群では、慢性的な睡眠不足が原因で日中の眠気を感じるケースが多いことが特徴です。ナルコレプシーでは、夜に十分な睡眠時間をとっている状態でも強い眠気を感じてしまいます。周囲から自己管理不足が原因であると誤解されやすく、本人が一人でストレスを抱え込んでしまうケースもあります。

参考:厚生労働省「ナルコレプシー」

参考:厚生労働省「睡眠不足症候群」

4.体内時計タイプ

体内時計タイプは、概日リズム睡眠障害という睡眠障害を患っているケースです。人間の体には、自分の体内時計のリズムに合わせて眠気や空腹を感じる仕組みがあります。しかし概日リズム睡眠障害では、何かしらの理由でこのリズムが崩れ、夜中に眠れなくなってしまうのです。

リズムが崩れる原因には、夜勤や不規則な生活習慣による昼夜逆転が挙げられます。中でも光・食事・運動・仕事・学校などが深くかかわっていると考えられています。寝付きが悪くなるだけではなく、朝早く起きてしまったり日中に眠気を感じたりすることも特徴です。

参考:厚生労働省「概日リズム睡眠障害」

5.随伴(ずいはん)タイプ

随伴タイプは、睡眠時随伴症という睡眠障害が該当します。睡眠時随伴症とは、おもに睡眠中に望ましくない現象が起きる状態です。例えば悪夢・寝ぼけ・寝言・激しい寝相・夜驚・夜尿・歯ぎしり・夢中遊行などが含まれます。

睡眠時随伴症の中にはレム睡眠行動障害・睡眠時遺尿症・乳児睡眠無呼吸症などがあり、中でもレム睡眠行動障害は高齢者に多いとされる症状です。自身の眠りの質が下がるだけではなく、睡眠中の異常な行動によって家族や周囲の人たちの健康を損なわれたり、けがをさせてしまったりする可能性が危惧されます。

参考:厚生労働省「睡眠時随伴症」

参考:厚生労働省「レム睡眠行動障害」

6.運動タイプ

運動タイプは、睡眠関連の運動障害を患っている状態です。睡眠時に不快感を抱き、脚の震えや歯ぎしりなどの運動衝動が現れることが特徴です。ベッドに入って寝ようとしても足元に不快な感覚を覚え、じっとすることができません。

代表的な疾患は「むずむず脚症候群」とも呼ばれるレストレスレッグス症候群です。眠くても眠れないというつらい状態が続き、眠りの質が低下してしまいます。市販の睡眠薬だけでは症状が改善されないケースが多く、専門の治療が必要です。

参考:厚生労働省「レストレスレッグス症候群 / むずむず脚症候群」

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フリーランスwebライター/ボーカリスト。パニック障害やうつ病を患った経験を活かし、悩みを抱える方の心を暖められる記事をお届けします。得意分野はメンタル/恋愛/ペット。月と星と花と猫が好き。

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