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寝汗がひどくて眠れない…原因は何?
人は日々の生活の中で、自分の意識とは関係なく汗をかきます。汗は体温調節のための重要なバロメーターであり、適切に発汗することで体の健康を守ります。
しかし発汗量が多くなると不快感を抱いたり、不眠の原因につながったりすることも。特に就寝中の寝汗はストレスを感じやすく、日中のパフォーマンスに影響を与える可能性があります。
今回は、就寝時に寝汗をかく原因や対処法などをご紹介します。寝汗の原因を見定めながら、自分に合った対策を考えてみましょう。
寝汗がひどい4つの原因
ここでは、眠れないほど寝汗がひどい原因を4つご紹介します。ただでさえ疲れているのにそのうえ寝汗に悩まされると、心にも体にもストレスがたまってしまいますよね。寝汗をかく原因を知り、自分に合った改善方法につなげていきましょう。
1.就寝環境の体感温度が高すぎる
寝汗がひどい原因として挙げられるのが、就寝環境における体感温度の高さです。厚生労働省によると、寝室の快適な温度は1年を通して13~29℃といわれています。夏や冬など季節の変化によって適切な温度は変わりますが、寝汗がひどい場合は寝室環境の見直しが必要です。
また寝具(布団や毛布)の中の温度は、33℃が適切といわれています。室温はちょうどよいはずなのになぜか寝汗をかいてしまう人は、寝具や寝巻きの調整が求められます。
2.強いストレスや不安を感じている
強いストレスや不安も、就寝時における発汗の原因です。例えば、社交不安症・パニック症・広場恐怖症・限局性恐怖症などに代表される「不安症」では、動機・呼吸困難・震えなどとともに発汗の症状が現れる場合があります。
ストレスを感じると自律神経が乱れ、多汗や倦怠感などの症状が生じることも。長期的にストレスを抱えていると症状が悪化し、寝汗の症状を含む自律神経失調症を発症してしまう可能性があります。ストレスや不安に対する症状には個人差があるため、自己判断せずに専門家のアドバイスを受けることが大切です。
参考:こころの情報サイト(NCNP精神保健研究所)「不安症」
3.特定の病気や感染症の症状
不安症や自律神経失調症以外でも、特定の病気や感染症の症状として寝汗が現れることがあります。例えば、40代以降の男女にみられる更年期障害では、血圧の上昇やのぼせ、顔の火照りなどの症状とあわせて異常な発汗に悩まされる傾向にあります。
就寝時も汗がとまらずに寝苦しさを感じ、大きなストレスを抱えた結果、さらに自律神経が乱れてしまうこともあるでしょう。全身の発汗が増加する全身性多汗症や、体の一部分のみの発汗量が増加する局所性多汗症などでも、寝汗の症状が現れます。
参考:公益社団法人日本皮膚科学会「原発性局所多汗症診療ガイドライン2015年改訂版」
4.特定の依存症の症状
特定の依存症の症状として、寝汗を含む発汗が現れる場合があります。特にアルコール依存症では、寝ているときの発汗が特徴的です。その他に、手の震えや高血圧、下痢、体温上昇なども現れます。
依存症では睡眠障害や不安感、イライラ感などの精神的な症状が伴うケースが多く、専門的な治療が必要です。しかし心身の疲労や依存レベルの強さから、なかなか通院を始められない人も少なくありません。
もう寝汗を卒業したい!寝苦しい夜を変える方法
ここでは、寝汗に苦しむ毎日から卒業するための新習慣をご紹介します。寝汗には、身体的原因や心理的原因などが複雑に絡まっている可能性があります。原因を自己判断で特定せず、専門家のアドバイスを受けながら自分に合った改善方法を探してみてくださいね。
1.寝室の環境を適切に調整する
寝汗を防止するためには、まず寝室の環境を適切に調整しましょう。寝室に適した温度は、前項の通り13~29℃です。寝具内の温度は33℃前後、湿度は40~60%程度が最適といわれています。
寝室の温度や湿度以外でも、就寝環境を快適にする工夫をどんどん取り入れていきましょう。例えばリラクゼーションミュージックをかけたり、アロマの香りを焚いたり、間接照明をつけたりするなど、自分にとって心地よいと思える環境づくりが大切です。