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毎日不安に襲われてしまう…
今あなたはどのような「不安」を感じていますか?仕事のプレゼンが上手くいくか不安、恋人が自分を嫌いになったかもしれない不安、ただ漠然と不安に襲われてしまう、などさまざまあるでしょう。
では、なぜ私たちは日々、不安につきまとわれてしまうのでしょうか。こんな厄介な気持ちなくなってしまえば良いのに、と思う人もいるでしょう。
しかし、不安の全てが解消されることはあり得ません。なぜなら、不安は「安全が確保されていないことを私たちに知らせてくれる」役割があるからです。
不安を抱え続けると起きてしまう5つのこと
実は、不安は大きく分けると「解消すべき不安」と「受け入れるしかない不安」の2種類があります。ホンモノの不安と、ニセモノの不安と言い換えることもできるでしょう。
例えば、夜道に見知らぬ人が跡をついてくる不安は「解消すべき不安」、ホンモノの不安といえるでしょう。一方で、しっかり仕事のプレゼンの準備をしたのに、やっぱり不安だというのは「受け入れるしかない不安」、ニセモノの不安といえます。
ホンモノの不安は命を守るため、私たちが生きていくために重要なものですが、ニセモノの不安はさらされ続けると日常の生活にさまざまな支障を生じます。
1.イライラする
不安にさらされ続けると、わずかな刺激にも過敏になります。例えば「地震が起こったらどうしよう…」と不安になると、部屋の物が少し揺れただけでも、地震の前兆かと思ってびっくりするでしょう。
コロナウイルス感染症に対する不安を抱えていれば、マスクなしで咳をする人を見るとイライラしてしまいます。このように、常に自分の身が危険にさらされた状態になるとリラックスできず、過敏になってイライラするのです。
2.集中できなくなる
不安にさらされ続けると記憶力が落ち、注意力も散漫になります。
今やるべき仕事に目を向けたいのに、来週のプレゼンが不安で集中できない、ということはよくあることでしょう。失敗に対して不安になるあまり目の前の仕事がおざなりになって、ミスが起こりさらに落ち込む、なんてことにもなりかねません。
不安が失敗を呼び、失敗が不安を呼ぶ悪循環に陥ってしまいます。
3.寝付きが悪くなる
頭の中は、常に何が起きても対処できるよう臨戦態勢なので、当然休めません。例えるなら、パソコンがいつでも起動できるスリープ状態に近いでしょう。ちょっとした刺激ですぐ起動する(起きてしまう)のです。
眠りが浅いので、夜中や明け方に起床しやすくなります。寝不足で、日中の注意力や記憶力が落ちます。寝不足になると脳の神経伝達物質のバランスが乱れ、さらにイライラしやすくなるでしょう。
4.疲れやすくなる
不安に脳の容量が圧迫され、体はいつでも対応できる臨戦態勢なので、無駄に疲れてしまいます。また、常に交感神経が優位になり、人によっては胸のドキドキやめまい、喉のつかえ、吐き気が起こりやすくなります。
腹痛や頭痛が起こることもあります。不安になりやすい人は、自分の心や体の状態に過敏になる傾向にあります。さらに、動悸によって「発作が起こるのでは」「死んでしまうのではないか」と新たな不安をつのらせるのです。
5.不安障害になる
不安にさらされ、心や体に症状が出るようになり、さらにその状態が長く続くと「不安障害」になることがあります。不安障害とは、普段なら気にならない状況や物事でが不安になり、日常生活や社会生活に支障をきたす状態のことです。
事故が起こるのではないか、ウイルスに感染するのではないか、と考えると電車に乗れないといった症状もあります。不安を思い起こさせるものをできるだけ避けようとするので、日常の生活で困難が生じやすくなるでしょう。
不安になっている原因を取り除こう
あなたの不安の原因は何でしょうか?不安を解消するためには、原因を取り除かねばなりません。
例えば、実習がうまくいくだろうか、試験に合格できるだろうかと不安なのであれば「解消すべき」ホンモノの不安といえます。実習の準備を入念に行い、合格に向けて勉強することで解消していきましょう。
十分に準備をして、勉強もしたのにまだ不安なようであれば、その不安は「受け入れるしかない」ニセモノの不安です。こういう時は、不安になって当然なんだ、といったん開き直って受け止めてしまうのがいちばんです。
不安に限らず、多くの感情は受け入れると徐々に和らいでいくものです。