「認めて欲しい」承認欲求の意味とは?承認欲求が強い人の心理&原因

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「誰かに、認めて欲しい」

人は少なからず、誰かに認めてほしい「承認欲求」を持っています。承認欲求は子供から大人まで、年齢問わずあるものなのです。例えば、良い成績なのを親から褒めてほしい、売り上げのノルマを達成できたから上司に評価されたいなど、自分の存在価値を、誰かに認めてほしいと思うのは人間として自然な感情です。

家庭や学校、職場などさまざまなコミュニティの中で、自分のことを誰かに認めてほしいと思うのは、当たり前の欲求であると言えるでしょう。

承認欲求の意味とは

承認欲求とは、他人から認められたい心理的な欲求です。

承認欲求の根っこの部分には「自分は他の誰かから必要とされている」と感じることで、自分の存在意義を認識し、自己肯定感や安心感を得たいのです。

人はさまざまなコミュニティーの中で、自分の存在を認めてもらえると、満足したり安心したりします。たとえ、コミュニケーションが苦手な人であっても、少なからず誰かに認められたい承認欲求はあるものです。

承認欲求を誰かに認められたいと思うことで、人は成長します。だからこそ、承認欲求は自分自身の成長を促すために必要な欲求と言えるでしょう。しかし、あまりにも承認欲求を強く求めすぎると、周りの人との関係を上手く構築できなくなります。自己主張しすぎず相手のことも尊重するように、バランスを取ることが大切です。

参考:承認欲求とは?承認欲求が強い人の特徴と対処法、留意点(一般社団法人 日本経営心理士協会)

承認欲求と自己実現理論の関係性

アメリカの心理学者であるアブラハム・マズローは『自己実現理論(マズローの欲求5段階説)』の中で、「人間の欲求には5段階の階層がある」と主張しています。人間の欲求は5段階のピラッミッド構造になっていて、1段目の欲求が満たされれば、2段目、3段目と段階的に欲求が展開されていくと考えています。

1段目は「生理的欲求」です。お腹が空いたら何か食べたい、疲れたから眠りたいなど、生きていくうえで必要不可欠な欲求です。2段目は「安全欲求」で、家や病院など安全な環境で安心して生活したい欲求を指します。

そして3段目の欲求は「社会的欲求」です。家族や学校、会社などコミュニティーに入って仲間の中にいたいと思う欲求です。4段目が「承認欲求」で、所属しているコミュニティーの中で、褒められたい・認められたいと思うようになります。

一番上の5段目の欲求が「自己実現の欲求」であり、さらに理想的な自分の姿を求めて成長したいと思う欲求です。2段目までは物質的な欲求でしたが、3段目より上は精神的な欲求になり、より人間らしい欲求と言えるでしょう。

現在の日本では安全、安心に生活する基盤が整っています。また、家庭や学校・会社などさまざまコミュニティーに属する環境は用意されているため、3段目までの欲求は満たされ、4段目である承認欲求を強く求める人が多くなる傾向にあります。

承認欲求が強い人の特徴・心理とは

承認欲求が強い人によく見られる特徴として、「みんなに見てほしい」「他人が注目されるのが気になってします」があげられます。自分の話ばかりする、社会や他人への不満が多いなどみられます。また、否定や批判を恐れ、他人が自分よりも高く評価されることを嫌がります。

自己中心的な態度の背景には、他人よりも自分に注目してほしい承認欲求があります。自分への評価を高めるために、他人が高く評価されることを恐れる傾向もあるでしょう。

自分を見てほしい、高く評価してほしい気持ちが強いと、何ごとも自分優先になるため、周りから自己中心的で自己主張の強い人だと思われてしまいます。

参考:承認欲求が強くなる原因は? どうやって充たせばいい? 精神科医に聞いてきた(新R25シゴトも、人生も、もっと楽しもう)

1.他人を批判してしまう

承認欲求が強い人は、他人が高く評価されることを嫌がります。時には自分の承認欲求を満たすために、他人を批判してしまうことも。

これは自己防衛のための行動だと考えられますが、他人を批判すれば自分の評価が上がるわけではありません。承認欲求を満たすために他人の粗探しするのではなく、自分自身の内面を磨くことに集中するほうが、結果的に承認欲求を満たすことにつながります。

2.周囲にマウントをとってしまう

承認欲求が強い人は、常に他人と比較しようとします。
周りの人たちよりも優位に立ちたいと思ってしまい、ついついマウントをとりがちです。例えば、自分が他人より優れているとアピールすることで、周囲から高く評価されたり、うらやましいと思われたりして承認欲求を満たそうとするのです。

その場では「すごいですね!」「うらやましいです」と表面上の言葉は得られるでしょう。しかしマウントをとると、真の評価を得ることはできないのです。

3.ステータスなどを気にしてしまう

承認欲求が強い人は、肩書や地位など誰が見ても分かりやすいステータスを重視します。周りから見られることを意識する傾向が強いため、ステータスは承認欲求を満たすうえでとても役立ちます。

しかし、肩書や地位で周りから認められるということは、そのステータスを失ったときに一気に承認欲求を満たせなくなる危険があります。本当の意味で周囲から評価され、認めてもらうためには、ステータス以外に「自分自身の人柄や能力」も大切にしたほうがよいでしょう。

4.嫉妬深い

承認欲求が強い人は自分が評価されたいので、他人が評価されるのをもっとも恐れています。自分よりも目立ち、周りから評価されている人に対して嫉妬することも。

好き嫌いで嫉妬しているのではなく、自分よりも注目を集める存在によって「自分の評価が上がらない」ことを恐れて反応しているのでしょう。もちろん他人に嫉妬しても、状況は何も変わりません。むしろイライラが募るだけです。

5.SNSの投稿が活発

今の時代、SNSは承認欲求を求めるうえでとても便利なツールのひとつと言えるでしょう。スマホがあれば、全世界の人に自分をアピールできます。

承認欲求が強い人は常に周りからの注目を集めたいと思っているのです。他人からたくさん評価されれば、自分の承認欲求を満たせるからです。SNSでたくさんの「いいね!」をもらうことほど、承認欲求を簡単に満たせる指標はないでしょう。

しかし、SNSは諸刃の剣であり「いいね!」が思ったほどもらえなかったり、否定的なコメントに傷ついたりと、危険な一面も十分に理解しておく必要があります。

6.寂しがり屋

承認欲求が強い人は自己主張が強く、マウントをとりがちです。強そうに見えますが、実は寂しがり屋な人が多いのです。強そうに見えても寂しがり屋なので、周りの注目を自分へ集めることに全力を注ぎます。

誰かに高く評価され、賞賛されることで承認欲求が満たしたい一方で、自分が思うほど注目されなかったり評価されなかったりすることを恐れ、いつも誰かに見てほしいと思っているのです。

7.情緒不安定になりやすい

承認欲求が強い人は常に注目を集めたいので、人からの評価がないと不安になってしまいます。SNSの普及により、たくさんの人とつながることができます。そのため、身近な人はもちろん、著名人や見ず知らずの人とも比較して、他人からどう見られているかを常に気にしてしまうのです。

自分のSNSの投稿に反応が薄いときに、高く評価されている人を見かけると、情緒不安定になってしまうことがあります。

8.自分に自信が持てない

承認欲求が強いというのは、裏を返すと「現在の自分は、誰からも評価されていない」自信のなさがあらわれています。自分に自信があれば、他人の目を気にならないものです。しかし、自分に自信がない人は他人の目が常に気になり、承認欲求が満たされていないと感じています。

本当の意味で承認欲求を満たすためには、まず自分に自信を持ち、自分自身を承認することが大切です。

 

心理師Shingo

心理師Shingo

公認心理師(カウンセラー)。障がい者就労支援のプロ。現在鎌倉市で障害福祉サービスの就労移行支援事業所「就職予備校」の管理者。 今まで支援で関わった人は 100 名以上。

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