「他人の目が気になる…」気にしすぎる性格を治す5つの方法

ウェルビーイング

この記事を監修してくれたのは…

他人の目が気になる…人目を気にしすぎる…

他人に良く思われたい、人から高く評価をされたいと思う人はたくさんいるでしょう。人は家族や学校、会社など少なからず、なにかしらのコミュニティに参加しています。コミュニティの中で周りの人から評価されたり、称賛されたりすることで、自己のアイデンティティを保つことができるのです。

アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーは『社会的比較過程理論』の中で、人は周りの人と自分を比べることで、自分の社会的位置付けを確認すると主張しました。人から承認されたいという気持ちは、社会の中で生きていくために必要な人間の認知機能であり社会の中で適応するという、生きていくために必要な能力といえるでしょう。

しかし、あまりにも他人の目を気にしすぎると、他人と自分を比較して落ち込んでしまうこともあるので注意しましょう。

参考:精神科医が教える「他人の目を気にしなくなる方法」

人の目が気になる原因・心理状態とは?

人の目が気になるのは、コミュニティの中で他人からどう評価されているのか、嫌われていないかなど、周りの人から良く思われたいという心理的背景があります。自分に自信が持てない人は人目を気にしすぎる傾向があります。

コミュニティの中で他人から高く評価されていないと、安全・安心を維持できないと思ってしまい、無意識のうちに他人からの評価を気にします。人の目が気になる原因・心理状態とはどのようなものか見ていきましょう。

参考:「人が怖い」「視線が気になる」と感じる社交不安症の症状、チェック法、治療

1.人に嫌われるのが怖い

人の目が気になる人は、「人に嫌われてしまうのではないか」といつも周りの人の反応を気にします。良い人だと思われたい気持ちが強く、周りの目ばかりを気にして、自分自身の意思や信念を持てなくなってしまうこともあります。

「人からどう見られているのか」ではなく「自分はどうしたいのか」を大切にして自分軸をしっかりと持ちましょう。

2.人が何を考えているかわからず不安になる

他人の考えていることを完全に正しく知ることは不可能です。言葉や態度から推測することはできますが、あくまでも自分の主観で推測した結果なので、答え合わせをすることができません。

人の目が気になる人は、周りの人のなにげない反応をネガティブに捉えがちです。自分の受けとりかた次第だとわかっていても、ついつい悪い方向で捉えてしまう傾向があります。

相手があきらかに不快感を示している場合や、言葉ではっきりと否定された場合は真摯に受けとめる必要はありますが、それ以外の反応ではネガティブな意味を自分のなかで作る必要はありません。わからないことに気持ちを振り回されないようにしましょう。

3.人に陰口を言われることが怖い

人の目が気になる人は、人から嫌われたくない気持ちが強く、自分がいないときに陰口を言われていないか不安になることもあるでしょう。陰口を言う人は、自分に自信がないので誰かをターゲットにして陰口を言い、周りの人に同調を求めることで仲間意識を持たせようとします。

そもそも、陰口を言って喜んでいる人と仲間になりたいと思うでしょうか。人の陰口を聞くだけで気分が悪くなる人もいるでしょう。陰口を言う人は、根拠のないことでも平気で陰口を言います。相手にせず気にしないことが大切です。

4.自分の周りから人が離れていくのが怖い

人の目が気になるのは、相手に良く思われないと、嫌われてしまい人が離れてしまうのではと不安に思うからです。自分に自信がない人は、コミュニティのなかで嫌われて孤立することを恐れます。周りの人の目を気にして本来の自分らしさを出せずにいるのです。

自分らしさを失ってまで周りの人が離れることを恐れるよりも、自分らしくいることを大切にしましょう。

5.自分に劣等感がある

人の目が気になる人は、自分に自信が持てず「あの人に比べて自分なんか」「あの人はできるのに自分にはできない」と、他人と比較して劣等感を持っています。

劣等感は自分自身が成長するモチベーションのきっかけになることもありますが、いつも人と比べて劣等感を感じてしまうと、モチベーションが低下してしまい、自分自身が成長することをあきらめてしまうことも。

成長したいときは人と比べてしまうより、過去の自分と今の自分を比較するようにするようにしましょう。自分自身の成長へのモチベーションを維持できるようになれます。

気にしすぎる性格を治したい!

「気にしすぎて疲れてしまう」「人の目を気にせずにもっと自分らしく生きたい」という人は、自分の性格を治したいけど、今さら性格を変えることは難しいと考えることもあるでしょう。

はじめから性格は変えられないとあきらめず、日々の生活を少し工夫することで、気にしすぎる性格を少しずつでも変えていく努力をしてみてください。

人は習慣の生き物です。毎日コツコツと取り組むことで習慣化し、自分自身の気にしすぎる性格を改善することにつながります。あきらめない気持ちが大切です。

人の目が気になる・気にしすぎる性格を治す5つの方法

気にしすぎる性格を治すためには、自分で意識的に行動や考え方を変えることが必要です。とはいえ、考え方変えるのは簡単にできることではありません。

すぐに結果がでなくても、毎日コツコツと意識して取り組めば、少しずつ人の目が気にならなくなるでしょう。あきらめずに続けることから始めましょう。

1.ストレスになるSNSを利用しない

現代社会では当たり前のようにSNSを使っている人も多いでしょう。しかし、SNSは「諸刃の剣」です。自分の承認欲求を満たすことができる反面、他人のことを羨ましく思ったり、自分と比べてしまったりして、劣等感をもつ原因になることもあります。

人の目が気になる人は、毎日周りの人の目が気になり疲れています。それに加えてSNSまで気にしてしまうと、疲れきってしまうでしょう。SNSは24時間365日いつでもつながってしまうので、気が休まる暇がなくなってしまいます。ストレスを感じる場合には、SNSの利用を控えてみてください。

2.自分に自信をつける

人の目が気になる原因のひとつには、自分に自信がないことがあります。自分に自信があれば人の目を気にせず自分らしく生きることができるでしょう。

自分に自信がないと、どうしても人と比べてしまい、「自分なんて」と自己嫌悪に陥ってしまいます。他人と比較するのではなく、過去の自分と比較して、過去よりもできるようになっている自分を認識することで、自分に自信が持てるように自分磨きに取り組みましょう。

3.嫌われることを恐れない

気にしすぎる性格は、周りの人から嫌われたくないと思う気持ちの表れでもあります。人間はコミュニティのなかに自分の居場所があることで安心できます。そんな安心できる環境を失わないために、周りの人から嫌われたくないと強く思うのです。

しかし、周りの人から嫌われることを恐れすぎて、自分の意思や信念を曲げてまで相手に合わせたり、自分が我慢したりすると、ストレスを感じることもあるでしょう。日々のストレスは小さくても塵も積もれば山となり、心が疲れてしまいます。

自分の気持ちを抑えるのではなく、相手に伝えることで理解し合えることもあります。嫌われるかもしれないと思って我慢するのではなく、自分の気持ちを正しく伝えてお互いの考え方を尊重できる関係性を築きましょう。

4.人と比べず、自分と比べるようにしてみる

気にしすぎる性格の人は自分に自信がないため、ついつい周りの人と比較をしてしまいます。少しでも劣っていると感じれば劣等感をもつでしょう。また少しでも優れている部分は優越感を感じることも。

しかし人と比較することは、相手によって優劣が変わってしまいます。自分よりも経験や知識が豊富な人と比べてしまえば劣等感をもつことが多くなるでしょう。逆に経験も知識も自分より少ない人と比べれば優越感をもちます。

人と比べることは、その人との相対的な評価でしかなく、実際の自分の能力を正しく図ることはできません。人と比べるのではなく、過去の自身と今の自分を比較することで、自分が着実に成長することを目指しましょう。

参考:社会的比較理論とメンタルヘルス

5.人目を気にしても幸せにならないことを知る

人の目を気にしていると、いつも周りの人の反応を気にしてしまい自分らしく生きることはできません。周りの人のことを気にして、自分の考えや気持ちを抑えてしまいます。また人目を気にする人は、人から良く思われたり評価されたりしないと幸せを感じることができません。

これでは自分軸ではなく、他人軸で生きることになってしまいます。自分の人生なので、自分らしく生きていくことが本当の意味で幸せだといえるでしょう。人目を気にして生きるのではなく、自分軸で幸せを感じることができる生き方をしましょう。

気にしすぎることで不安になる悪循環から解放されよう!

自分に自信がなくて人の目を気にしすぎてしまうと、いつも人の顔色をうかがってしまい、本来の自分らしさを発揮できません。また人からどう見られているのか、気になってしまい不安になります。

しかしこの不安にあきらかな根拠はなく、漠然とした推測でしかありません。自分に自信がない人は、周りの人の些細な反応を推測し、ネガティブにとらえがちです。「人からどう見られているか」が気になって不安になり、不安な気持ちからさらに人の目を気にしてしまうという悪循環に陥ります。

実際に相手からどのように見られているのかを知るすべはありません。根拠のない推測で不安になったり、振り回されたりしないようにして、不安になる悪循環から自分自身を解放しましょう。

自分らしい人生を自分の力で切り開こう!

人生は一度きりで、時間は人間だれしも平等に限りがあるものです。貴重な時間を、人の目を気にして不安な気持ちで過ごすのはもったいないことです。自分の気持ちや考えをきちんと相手に伝えることで、周りの人にも理解してもらえることでしょう。

もちろん自己中心的な考えや姿勢ではなく、相手の気持ちも尊重し自分なりの考えを伝えることができれば、お互いに理解することができ、建設的な関係性を築けます。人の目を気にして自分の気持ちを抑えるのではなく、自分自身に向き合って自分らしく生きることができれば、今まで以上に幸せな人生を送れることでしょう。

人の目を気にしすぎてしまう自分の意識を少しずつでも変えることで、自分らしく自分のために、自分の力で人生を切り開いていきましょう。

この記事は、悩んでいる方に寄り添いたいという想いや、筆者の体験に基づいた内容で、法的な正確さを保証するものではありません。サイトの情報に基づいて行動する場合は、カウンセラー・医師等とご相談の上、ご自身の判断・責任で行うようにしましょう。

心理師Shingo

心理師Shingo

公認心理師(カウンセラー)。障がい者就労支援のプロ。現在鎌倉市で障害福祉サービスの就労移行支援事業所「就職予備校」の管理者。 今まで支援で関わった人は 100 名以上。

関連記事

特集記事

TOP