目次
「会社・仕事を辞めたい」
新入社員の3割は3年以内に仕事を辞めています。
「3年で辞めるなんて根性が足りない」「3年も勤められないほどのブラック企業が多いせいだ」などさまざまな意見があるでしょう。しかし、会社を辞めるのはそんなに悪いことでしょうか。
日本の終身雇用制度は崩れ、ひとつの会社で定年まで務め続けるというのは変わりつつあります。2019年4月、経団連の中西宏明会長が「終身雇用を維持する難しさ」に言及しています。同年の5月には、トヨタ自動車の豊田章男社長が同様の発言をし話題になりました。
実際に厚生労働省の「我が国の構造問題・雇用慣行等について」によると、若年期に入社してそのまま同一企業に勤め続ける生え抜き社員は、1990年代後半から低下傾向にあるとしています。
今回は仕事が辛くて、会社を辞めたいと考えている人へ転職へのヒントとなる内容をお伝えします。
仕事が辛い、会社がキツい…
日本企業の従来の働き方といえば、年功序列と終身雇用が特徴でしょう。しかし、目まぐるしい変化と競争の激しさを増すビジネスの世界では、過去の慣習は通じなくなってきています。最近では、ステップアップや仕事環境の改善を目的とした転職も当たり前になってきました。
また、近年問題にされているのがブラック企業。法律が整備されてきたとはいえ、まだまだサービス残業やセクシャルハラスメント、パワーハラスメントなどの問題も残っています。
ブラック企業で働くのは辛いですよね。だからこそ、ブラック企業を辞めたいと願う人は珍しくありません。では、具体的に仕事を辞めたい理由はどのようなものがあるのか見ていきましょう。
仕事を辞めたいと思う主な原因
退職を希望する理由は人それぞれですが、そのなかでも特に多い原因を6つ紹介します。ステップアップのため、新しい仕事への挑戦といったポジティブな理由よりも、会社への不満がつのり退職を希望するほうが多い傾向にあります。仕事を辞めたいと思う原因を整理しておきましょう。
1.人間関係
仕事の内容よりも社内の人間関係がストレスだったり、上司や同僚と馬が合わず会社に行きたくなくなったりする人は多いでしょう。好きな仕事だとしても、職場の人間関係が悪いとストレスがたまりますよね。本来なら自分の仕事に徹していればいいはずですが、職場の環境によっては仕事そのものが嫌になってしまいます。
最近では「親ガチャ」に影響され「上司ガチャ」といった言葉も出てくるほどです。相性の悪い上司・同僚がいても、異動がない限り一緒に仕事をしなければならないので、人間関係が理由で辞めたいと感じるのも無理はありません。
2.給与が見合っていない
がんばって成果を出しても、期待したほど給料が上がらなかったり、残業や休日出勤もしてるのに薄給で嫌になったりすることもあるでしょう。
多くの日本企業は年齢によって給料が決まります。若いうちは体力もあって仕事量も多いのに、給料に反映されず歯がゆい思いをするかもしれません。朝から晩まで働き、夜遅くに帰るとご飯を食べて寝るだけ。そういった生活にもかかわらず給料が少なければ、より良い職場に転職したいと感じるでしょう。
3.残業・休日稼働が多い
「サービス残業」が社会問題になってから久しい日本。長時間働くのが美徳という従来の価値観は通用しなくなってきています。残業代も出ないうえに、休日も仕事を強要されるとなると不満も溜まっていきますね。
たとえ残業代が出たとしても長すぎる労働時間が嫌で、仕事を辞めたいと思うこともあるでしょう。残業と休日稼働の多い、いわゆるブラック企業よりも、適度な労働時間のホワイト企業を求める動きが強くなってきています。
4.評価制度に納得できない
働いている会社の評価制度に満足していますか。会社によっては評価の基準が曖昧で、上司のさじ加減によってボーナス査定されることもあるでしょう。
成果を出したのに会社の業績が悪いからと給料が上がらなかったり、それほど仕事はしていないのに上司と仲の良い人の評価が高かったりすると不満がたまりますよね。評価制度に納得がいかず、会社を辞めたいと感じる人も多少なくないのです。
5.仕事内容が合わなかった
営業や経理、マーケティング、人事などさまざまな部署がありますが、具体的な仕事内容は実際に働いてみないとわからないことも多いですよね。イメージしていた仕事と違うと、自分に合わないから辞めたい気持ちも強くなっていきます。
自分に合わない仕事を続けていると、ストレスが蓄積されていきます。本当に自分に合った仕事は何なのか見つけるのは難しいですが、自分が好きな仕事ではなく、できることを選ぶと良いでしょう。なぜなら、自分の好きな仕事が自身の能力に見合っているかはわからないからです。
例えば、テニスをするのが好きだからテニスプレイヤーになったとします。テニスプレイヤーとして生計をたてるには、相応の実力が必須となるでしょう。
しかし、テニスに関する記事を書いたり、テニス動画を編集したりする仕事ならハードルは下がります。好きな分野の中でも自分にできることは何なのか、改めて考えてみると良いでしょう。
6.新しいことに興味が湧いた
働いているうちに新しいことに興味がわくこともありますよね。入社当初はずっとこの会社で働こうと思っていても、いつの間にか違う仕事に就きたくなるのはよくあることです。
今の会社に不満はなくても本当にこのままでいいのか、もっと自分の興味のあることに挑戦するべきなのではと葛藤も生まれます。仕事を辞めたいと思う原因の中では前向きだといえるでしょう。
しかし、転職する人が増えてきているとはいえ、現在の会社を辞めるのはとても勇気のいることです。仕事を変えたことで給料が下がったり、新しい職場になじめなかったりする可能性も考えられます。じっくり考えたうえで答えを出しましょう。