バケツの穴を塞ぐ重要性!リスクマネジメントの目的とは?


企業がリスクマネジメントを行う目的は、企業経営を揺るがすおそれがあるリスクの発生を未然に防ぐこと。そして、万が一リスクが発生した際には影響を最小限に抑えることです。

現代の企業は数えきれないほど多くのリスクに直面しています。自然災害や事故、情報漏洩、取引先の倒産、社内ハラスメント、顧客からのクレーム、SNSの炎上など、リスクの要因や種類もさまざま。

また、IT技術の進歩や経済のグローバル化、働き方の多様化などにより、以前は想定できなかったようなリスクが次々に生まれ、リスクの多様化と複雑化が進んでいます。リスクが発生してしまった場合の影響力も大きく、リスクマネジメントを怠ったせいで事業継続が困難になった企業も少なくありません。

そのため、現代においてリスクマネジメントは避けて通れない重要な経営課題のひとつです。リスクマネジメントを強化し、あらゆるリスクに対して最適な方法で管理を行い、リスクを回避していくこと。また、適切な対応を実践していくことが企業価値を高めることにもつながるのです。

リスクマネジメントするメリット


リスクは企業経営を揺るがす重大な事故やトラブルを引き起こしかねません。それを未然に防げるのが、リスクマネジメントを行う最大のメリットです。

ここではリスクマネジメントを行うメリットの一例をご紹介します。

1.情報漏洩やシステム障害を防げる

IT化が急速に進む昨今、システム障害やサイバー犯罪、内部不正などによる情報漏洩のリスクが高まっています。個人情報や機密情報などの重要なデータが外部に漏れてしまうと、業務に支障が出るだけでなく、多大な損害を被り、企業の社会的価値や信頼度も大きく下がってしまいます。

ルールの徹底やセキュリティ対策、定期点検などのリスクマネジメントを強化することで、情報漏洩やシステム障害のリスクを未然に防ぐことができます。

2.コンプライアンス違反やハラスメントを防ぐことができる

不正会計や長時間労働などのコンプライアンス違反、セクハラやパワハラなどの社内ハラスメントも、リスクマネジメントをしっかりしていれば未然に防げます。

コンプライアンス違反やハラスメントは、社員一人ひとりの認識や価値観のずれ、気のゆるみなどが原因で起きてしまうことも多いリスクです。

これらが発生すると、社員や取引先からの信用が大きく損なわれます。もちろん社会的な信用の低下も避けられません。

ルールの見直しや教育、相談窓口の設置など適切なリスクマネジメントを行えば、コンプライアンス違反やハラスメントのない健全な企業経営を目指せるでしょう。

参考:Box「企業が考えるべきリスクの種類と一般的な対策」

リスク管理の主な手法|PDCAを回そう


新たに生まれるリスクに対応していくために、リスクマネジメントは定期的に見直しながら継続することが大切です。

そこで効果的なのがPDCAサイクルを活用した手法です。PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字を取ったもの。Plan→Do→Check→Actionのサイクルを継続的にくり返すことで、業務の効率化や改善を図り、業務を円滑に進める方法です。

実際にPDCAサイクルをどのようにリスクマネジメントに活用するのか、1つずつ具体的に見ていきましょう。

参考:ラフールサーベイ「リスクマネジメントとは?正しい概要や効果的な手法をまとめて解説」
大塚商会「リスクマネジメントはPDCAサイクルを回して見直すもの」

1.リスクを発見する・フレームワークを作成する(Plan)

まずは、PDCAのPにあたる「Plan(計画)」です。どこにどのようなリスクが潜んでいるか、リスクがどのような状態であるかを発見します。リスクマネジメントの質を左右する重要なステップなので、丁寧に行いましょう。

さまざまな部署の社員と連携して、企業の内部および外部から広く情報を集めることが大切です。「きっと起きないだろう」「影響はないだろう」といった自己判断で、リスクを列挙しないことのないように注意してください。考えられるリスクはもれがないように細かく洗い出しましょう。

リスクが洗い出せたら、直面するさまざまなリスクにどこから対応していくのか優先順位を決め、フレームワークを作成します。リスクの種類や大きさに応じて最適な方法を考えましょう。

2.フレームワークを基に実行する(Do)

次にPDCAのDにあたる「Do(実行)」です。フレームワークができたら、それをもとに具体的な対応策を実行します。現場だけで実行するのではなく、管理部門や責任者とも密にコミュニケーションをとり、相互理解を深めることが大切です。

また、実行が完了したからといって、すぐに次の新しい「Plan」に移らないように注意しましょう。リスク対策の内容を遂行するだけがリスクマネジメントではありません。実行した後に、対策に問題がなかったか見直すこともリスクマネジメントの目的です。

「Do」ができたらリスク対策の効果を測るために、次のステップ「Check」に進みましょう。

3.リスク対策を評価する(Check)

次にPDCAのCにあたる「Check(評価)」です。リスク対策を実行したら、リスクに対してどの程度効力があったのか、実施方法に問題はなかったか、担当者がスムーズに対応できたかなどの見直しを行います。

実行した対策の結果を評価し、改善点を洗い出すことはリスクマネジメントにおける重要なプロセスのひとつです。実際に大きな事故やトラブルにつながった事例には、評価や見直しが不十分であったケースが少なくありません。欠かさず評価を行い、次のリスク管理のサイクルにつなげましょう。

評価は経営管理部門だけで行わず、担当者や関係各所にヒアリングを行い、課題の洗い出しをしましょう。それぞれの職場や部門内で日々の業務について評価を行い、意識を高めることも大切です。

4.課題や問題点を見つけ、改善を行う(Action)

最後にPDCAのAにあたる「Action(改善)」です。「Check」のステップで洗い出した課題や問題点、改善点に対する改善策を立てます。

運用状況やリスクへの効果、社員の取り組み方など、リスク対策を実行した一連のプロセスにおける改善点を確認します。リスク対策が有効でなかった場合やリスクの見落としがあった場合には、原因を追究して改善と修正を行い、次回の「Plan」に反映します。

改善点はガイドラインとしてまとめ、より質の高いリスクマネジメントにつなげましょう。

5.ボードメンバーへ共有し全体でPDCAを回す

経営者は評価の結果とあわせて一連のプロセスをボードメンバーにも共有しましょう。ボードメンバーがチェックすることで、リスクマネジメントの仕組み全体を客観的な視点から見直せます。全体を見直すことで、リスクの見落としや新たなリスクが見つかることもあるはずです。

また、経営トップがリスクマネジメントの重要性や趣旨を理解し、持続的かつ継続的にリソースを配分することで、より質の高いリスクマネジメントの整備が行えます。社員にもリスクマネジメントの重要性をしっかり周知し、組織全体でリスクマネジメントに真摯に取り組んでいきましょう。

日々変化するリスクに柔軟に対応するために、PDCAはとても大切です。PDCAサイクルを何度も回し、アップデートを続けることでリスクマネジメントの活動が進化していきます。

ほし あゆみ

ほし あゆみ

ライター。「好きを大切に」をコンセプトにしたWebメディア『my prism』を自主運営。HSP気質。生きづらい世の中を少しでも生きやすくする方法を模索中。漫画とアイドルとインターネットが好きです。

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