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ストレスがたまって、無気力状態になったら…
私たちは日々、さまざまなストレスに直面しています。仕事での失敗や人間関係、将来への不安など、あらゆる要因がストレスになるため、まったくストレスを感じずに生きている人は少ないでしょう。
しかし、「なんだかやる気が出ない」「いつも疲れている」「何もしたくない」など、無気力状態になるほどストレスがたまっていたら要注意です。精神的な限界を迎えて身体がSOSを知らせているサインかもしれません。
「自分は大丈夫だ」と思いそのままにしておくと、うつ病や自律神経失調症などの病気を引き起こす恐れもあります。
この記事では、ストレスがたまって精神的に限界な時の主な症状をご紹介します。ストレスをため込んでしまいがちな方や、身体に異変や違和感がある方はぜひチェックしてくださいね。
ストレス限界のサインに気づけなかった原因とは?
ストレスを自覚できていれば、ストレス発散のために趣味の時間を作ったり、休息を取ったりするなど、自分で対策を立てられます。
しかし、ストレスが限界を迎えて身体がSOSのサインを発していても、自分では気づけないこともあります。特に以下のような場合は、ストレスを自覚しにくくSOSのサインを見逃してしまいがちなので気をつけてください。
1.完璧主義で自分を追い込んでしまいやすい
完璧主義の方は責任感が強く、何事も手を抜かずに全力で取り組みます。丁寧でミスのない仕事ができる、信頼されやすいなど良い面も多くありますが、自分を追い込みストレスを抱えやすいという一面も。
完璧を追い求めすぎるあまり、自分を甘やかすことが苦手で自己評価も低くなりがちです。ストレスが限界を迎えていても「自分はまだまだ」「甘えてはいけない」と思い込み、SOSのサインに気づけないことがあります。
2.「頑張ることが当たり前」だと育てられた
幼い頃から「頑張ることが当たり前」という価値観で育てられた方は、少しの疲れや違和感は気にせず頑張りすぎてしまう傾向があります。
身体がストレスの限界を知らせていても、「もっと頑張らなければ」「できないのは頑張りが足りないせいだ」と思い、SOSのサインを見過ごしてしまうかもしれません。手を抜いたり休んだりすることが苦手な場合も。
頑張るのは大切なことですが、頑張りすぎは要注意です。自分でも気づかないうちに心と体を疲弊させている可能性があります。
3.周囲の人に追い詰められている
周囲の人から期待されていたり、責任のある立場に置かれたりしていると、プレッシャーや不安から周りが見えなくなってしまうことがあります。「期待に応えなければ」「自分しかいない」と思い、自分で自分をますます追い込んでしまうこともあるでしょう。
また、長時間労働やハラスメントなど過度のストレスがある状態が続くと、正しい判断ができなくなることも。ストレスが限界を迎えていることに気づかないまま、逃げ場がないところまで追い詰められている恐れがあります。
4.「体調を崩してないから大丈夫」だと思ってしまっている
熱が出る、突然倒れるなどわかりやすい体調の異変がなければ、「体調を崩していないから大丈夫」と思ってしまいがちです。
しかし、ストレスが限界の時のサインはわかりやすいものばかりではありません。なんとなくだるい、やる気が出ないなど、日常生活に支障が出るほどではない軽い症状でも精神的なダメージが大きくなっていることがあります。
大丈夫だと思って見過ごすうちに、ある日突然体調を崩し、日常生活や仕事に影響を与えてしまうかもしれません。
精神的に限界を超えるとどうなる?
ストレスが限界の時のサインを見逃し、限界を超えてしまうと、自律神経失調症やうつ病などの精神的な病気につながる恐れがあります。最初は軽いうつ症状でも、症状が深刻化して本格的なうつ病になれば、治るまでに何年もかかってしまうことも。
また、ストレスが原因で胃潰瘍や突発性難聴、糖尿病、脳梗塞など大きな病気を患うこともあります。
病気になってしまうと仕事を休みがちになり、周りの人に心配や迷惑をかけるだけでなく、働くこと自体が難しくなるかもしれません。職を失えば収入面や再就職への不安も生まれます。
病気になってから後悔しても遅いのです。心や体が壊れてしまう前に、自分を守ることを第一に考えてください。休むことや環境を変えることは決して逃げではありません。
参考:ハタラクティブ「仕事に限界を感じるサインは?能力不足やストレス?症状や相談先も解説」
精神的に限界な時の主な症状
精神的に限界を迎えると心と体にさまざまな症状が現れます。
精神的な症状としては、不安やイライラ、無気力、抑うつ状態などが挙げられます。何かと不安になったり常にイライラしたり、精神的に不安定になることが多いでしょう。何をしても気分が晴れない、やる気が起きないなど無気力状態になるのもストレスが限界の時によく現れる症状です。
身体的な主な症状は、頭痛や吐き気、腹痛、倦怠感などがあります。毎日のように頭痛が続いたり、胃の調子が悪くなったりします。寝ても疲れが取れず一日中だるい場合も、ストレスがたまっている証拠かもしれません。めまいや耳鳴りが伴うこともあります。
精神的に限界な時に身体に現れる症状は人それぞれです。一つひとつの症状は軽くても、積み重なると病気につながることもあります。気になる症状があればストレスをため込んでいないか振り返ってみてください。
また、身体の異変には病気が隠れていることもあります。症状が重い、または長く続く場合は医療機関を受診しましょう。
参考:厚生労働省 こころもメンテしよう~若者を支えるメンタルヘルスサイト~「ストレスのサイン」
対策を立てよう!ストレスが限界の時のSOSサイン
ストレスが限界を超えてしまう前に、早めに気づくことが大切です。早めに気づければ、対策も立てやすいでしょう。
以下にストレスが限界の時のSOSサインをご紹介します。あてはまるものがないか確認してみてください。
自分ではなかなか気づけないこともあるので、周りにストレスを抱えていそうな人がいたら気にかけてあげましょう。
1.朝起きれなくなった・夜眠れなくなった
ストレスがたまると自律神経のバランスが乱れ、睡眠の質が悪くなります。
通常、眠る時は自律神経の副交感神経が優位になり、身体がリラックスして眠りに入ります。ところが、ストレスを感じると交感神経が活性化して身体がなかなか休まらなくなるのです。
考えごとをしているとますます眠れなくなり、十分な睡眠が取れないので目覚めもすっきりしません。学校や仕事に行きたくない気持ちから朝起きられず、遅刻や休みが増えることもあるでしょう。
参考:Medicalook「眠れないのはストレスのせい?イライラや不安感も。病院に行くべき?何科?」
2.身近な人に八つ当たりするようになった
ストレスが限界に達すると常にイライラするようになり、身近な人に八つ当たりをしてしまうことがあります。
多少のイライラなら誰にでもよくあることですが、ささいなことでも過剰なほどイライラするのはストレスが限界のサインかもしれません。
急に攻撃的な言動が増えた、常に気が立っている、理不尽に怒り出すなど、いつもと明らかに様子が違う場合は注意が必要です。
3.仕事や家事でミスが増えた
業務内容に大きな変化はないのに仕事や家事でミスが増えたら、ストレスが限界を迎えている可能性があります。
ストレスがたまりすぎると脳が正常に働かなくなり、集中力や記憶力が低下します。注意力も散漫になり、今まで問題なくできていた仕事や家事でミスが増えてしまうのです。
ミスが増えて上司から注意されると、「また叱られるのではないか」という不安からさらにストレスが増大することも考えられます。
4.休むことが怖くなっている
責任感の強い人ほど「自分が休めばみんなに迷惑がかかる」と思い、休みを取りたがらない傾向があります。しかし、休みなく無理を続けると今度は休むことが怖くなってしまいます。
「休めば自分の仕事やポジションを失うかもしれない」といった不安が生まれ、休むことへの恐怖心ができてしまうのです。
無理を続けていれば当然身体に疲れがたまっていて、休みが必要なはずです。それでも休むことが怖いのは、正しい判断ができなくなっている状態といえるでしょう。
参考:すぐに役立つ!心理学講座「仕事を休むのが怖いと思う人への処方箋」
5.食欲が湧かない・食欲不振
何日も食欲が湧かず、十分に食事ができなくなったらストレスが限界を迎えているサインです。
強いストレスを感じると交感神経が優位になり、消化吸収を促す副交感神経の働きが抑えられます。すると食欲が湧かなくなり、食事量が減少してしまいます。
また、ストレスは消化器官への影響も大きく、胃炎や胃潰瘍、慢性的な下痢を引き起こすことも。その影響で消化吸収が悪くなり、十分に食事ができなくなります。
短期間で体重が急激に減少していたら注意が必要です。
参考:UnMed Clinic Motomachi「体重減少の原因(ストレス、食欲不振)」
ストレスが限界を超える前にSOSサインに気づこう!
夢や目標に向かって頑張っている時ほど、ストレスに気づきにくく、そのまま無理を続けてしまいがちです。しかし、ずっと無理を続ければいつかは必ず限界がやってきます。
ストレスが限界を超える前にSOSサインに気づけるよう、日頃から自分の身体にしっかり向き合いましょう。早めにSOSサインに気づけば、心や体を壊してしまう前に適切な対処ができるはずです。
何をストレスと感じるかは人それぞれで、ストレスの限界も一人ひとり異なります。他の人はもっと無理をしているように見えたとしても、気にする必要はありません。あなたにとっての限界を知ることが大切です。
身体が発するSOSサインに敏感になり、自分自身を大切にしてくださいね。
※この記事は、悩んでいる方に寄り添いたいという想いや、筆者の体験に基づいた内容で、法的な正確さを保証するものではありません。サイトの情報に基づいて行動する場合は、カウンセラー・医師等とご相談の上、ご自身の判断・責任で行うようにしましょう。