目次
「心がしんどい…疲れた…」と感じたら、しっかり休もう
私たちは、生きているだけでさまざまなストレスに晒されています。仕事や家事など「やらなくてはいけないこと」に追われ、自分が何をしたいのかを見失ってしまう日々です。
目まぐるしい毎日で「心がしんどい」と感じるのは決して珍しいことではありません。今回は、心がしんどいと感じる原因や対処法をご紹介します。自分のペースで生きていくために、心を上手にコントロールしていきましょう。
心がしんどいと感じる原因は?
心がしんどい時には、自分を癒してあげる時間が必要です。しかし、心がなぜ疲れているのかを理解せずに休息時間を設けても、モヤモヤが残ったまま日常に戻ることになる可能性があります。自分の心がなぜしんどい想いをしているのかを、まずは理解してみましょう。
心がしんどいと感じる原因として挙げられるものを4つご紹介します。適切な対処を学ぶためにも、ストレスの原因を知ってくださいね。今の自分を悩ませている事態と照らしあわせながらご参考ください。
1.理想と現実の差が大きく疲れてしまった
毎日を前向きに生きるためには、自分の中で理想を設定するのが有効です。代り映えの無い毎日を送るよりも、理想に向かって努力をする日々の方が生き生きとした気持ちで過ごせるでしょう。しかし、理想を高く設定してしまうとストレスの原因にもなります。
理想と現実の差が広がると、現実の自分に否定的になります。「どうしてこれしかできないんだ」「もっと頑張っている人はいる」と自分を追いこみがちになり、心が疲れがちに。自分より成果を出している人にジェラシーを感じやすくもなります。
2.人間関係でいざこざが起きた
人間関係のトラブルは、どの性別や年代でも起こり得ます。友達や恋人だけではなく、夫婦や上司、親戚、先輩、後輩、元恋人、ご近所さん。人間関係や活動範囲が広がるほど、トラブルが起こる可能性も比例して増えるものです。
こちらに悪気が無くても誤解されてしまったり、明確な嫌がらせを受けてしまったり。相談する人の有無にかかわらず、人間関係のトラブルはストレスのもとになります。世間と一切関わらずに生活をするのは困難なため、現代に生きるほぼすべての人が人間関係でトラブルを起こす可能性があります。
3.完璧主義な自分自身に疲れてしまった
完璧主義な性格をしている人は、心がしんどくなる傾向が強いでしょう。何事も0か100かの判断をしがちなタイプで、完璧な状態でなければ価値が無いと感じています。しかし、人間は不完全な生き物です。いついかなる時でも「すべて完璧な状態」はなかなか維持ができません。
完璧にこだわるほど「不完全な状態」に目が行きやすく、ストレスもたまりがちです。周りからは「もっとルーズになりなよ」「気軽に考えればいいんじゃない?」とアドバイスされたとしても、根本的な性格は簡単には変えられません。
4.どれだけ努力しても人に認めてもらえない
どんなに心が強い人であっても、報われないまま努力を続けていると疲れてきてしまいます。部活や仕事、恋愛、勉強。一生懸命頑張っても成果が出ずに、努力に裏切られてばかりな日々が続くと、しんどい気持ちが蓄積されるでしょう。
自分のために頑張っていることでも、人から認められると嬉しいものです。認められずに否定されることが何度も続くと心は弱り、自己評価も下がる一方。どんどん自分のことを愛せなくなり、つらい気持ちになっていきます。
心がしんどい時にしてはいけない3つのコト
「心がしんどい時には休むのが先決」とはわかっているものの、仕事や家事は簡単に休むわけにはいきません。特に責任ある立場として働いている方や、小さな子供の育児に追われている方は、多少のしんどさは無視してしまうことが多いのではないでしょうか。
しんどさと上手に付き合っていくためにも「心がしんどい時にしてはいけないこと」を3つご紹介します。自分が無意識のうちに以下の行動を取ってしまっていないか、思い返しながら読んでみてくださいね。
1.人に評価されることばかり意識する
心がしんどい時にしてはいけないことの1つが「依存」です。物や習慣、コミュニティだけではなく「人への依存」をしないように気を配りましょう。特に、自分への評価を他人に求めてはいけません。自分の価値は、本来自分で設定するものです。
他者からの評価は、今の自分の現在位置を知るための指標になります。しかし評価されることばかりに縛られては「評価されないこと」が多大なストレスになってしまいます。自分のペースを失わないように心がけましょう。
2.しんどい気持ちを放置する
心がしんどくなる原因を取りのぞかないまま、しんどさを放置してはいけません。「つらい気持ちは時間が経てば段々と忘れていく」という考え方もありますが、原因を解決せずに放置していては、つらさはそのまま積みあがるばかりです。
しんどい気持ちが大きくなるにつれて、視野は狭くなります。まだ自分の意志で動ける力が残っているうちに、しんどさを発散するよう心がけましょう。もしくは、しんどさの原因から離れるよう行動することが大切です。
3.自分を追い込むように働く
大きなストレスを抱えている時には、仕事への没頭は現実逃避の手段になります。わき目も振らずに必死に働いていれば他のことを考えなくても済むでしょう。しかし長期的な視点で見た時には、自分を追い込むように働くことは心身への負担が大きいものです。
仕事により心が疲れれば冷静な判断ができなくなり、体が疲れれば現状を解決する力も湧きません。心のしんどさをケアするためには、環境を変えるなり発散をするなりの対処が必要です。しんどさの原因もケアできていない状態で心身への負荷をかけても、良い状況にはなりません。
心が疲れた時は、全てから解放されよう
心が疲れた時には、手放せるものは手放し「ラフな状態」になるのが理想です。プレッシャーや責任感から解放される時間を設けることで、自分のペースを取り戻しやすくなるでしょう。
カラオケや散歩、長風呂、旅行、グルメ。心の癒し方は人それぞれです。自分にとっての「心の解放の方法」が分からない人は、まずは「やらなくてはいけないことを手放した、心も体も身軽な状態」を目指しましょう。
気持ちがしんどい時に役立つ5つの対処法
ストレス発散が上手にできていますか?「できている」と答えられた人は、自分の心をしっかりと管理できていてとても素敵です。「できていない」と答えた人も心配する必要はありません。今からでも、メンタルをコントロールする方法を一緒に探していきましょう。
気持ちがしんどい時に役立つ対処法を5つご紹介します。無理をせずに、できそうなものから試してみてくださいね。
1.休暇をとって数日休む
気持ちがしんどい時には休息に限ります。限界が来てしまう前にまとまった休みを設け、心と体をリラックスさせましょう。できれば週末だけではなく、仕事のことを考えずに済む期間を何日か設けることが大切です。
単日の休みだけだと「明日からまた仕事だ」というネガティブな気持ちで過ごしてしまいがち。最低でも2日は休み「やらなくてはいけないこと」から離れた時間を過ごしてください。家事や育児など離れづらいものがストレスになっている人は、完璧を目指さないように心がけることから始めましょう。
2.普段行かない場所に行く
日常から離れた非現実的な体験は、気持ちをリフレッシュさせてくれます。とはいえ、旅行やアクティビティは簡単には手を出しづらい人も多いでしょう。歩いて行ける範囲でも構いませんので、普段行かない場所に出かけてみてはいかがでしょうか。
初めて入るカフェやできたばかりのお店、曲がったことのない路地。スマートフォンの地図アプリでしか見たことがない道や公園。例え近所であっても、初めての場所に行けば新鮮な気持ちになれます。新しい自分を見つける方法は、案外すぐ近くにあるかもしれません。
3.必要以上に考えすぎない
必要以上に考えてしまう性格の人は、ある程度の所で考える行為自体を止めるように心がけましょう。とはいえ、想像力の豊かさや感受性の強さは元々の性格が強く関係している場合が多いもの。無理に「考えすぎないように」と自分を追いつめる必要はありません。
心がしんどい出来事があっても「『私は』こう思う」のように、主語を自分にすることを心がけてください。自分の感覚や評価が、世の中のすべてではありません。不安を必要以上に広げないためには「世の中には自分以外の感想や考え方もある」と理解する所から始めてみてくださいね。
4.ヨガや瞑想を行う
ヨガや瞑想は、生活状況に関連する不安や抑うつ症状の管理を助けるとされています。1日5分から10分程度の短時間からで構いませんので、心と体をリラックスさせて自分と向きあう時間を設けてみましょう。
もちろん、体が硬い人でも無理の無い範囲で挑戦できます。心がしんどい時は忙しさの中に飛びこむのではなく、ヨガや瞑想を通してゆったりとした世界に浸り、メンタルを整えて冷静な判断力を身につけてくださいね。
5.バラエティ番組などを見て、たくさん笑う
笑顔には心を元気にしてくれる力があります。私たちの脳では自律神経が働いていますが、安心感や安らぎを感じられる副交感神経は、笑うことでさらに優位になるとされています。笑顔が増えた結果、ストレスが解消されて心身共にリラックスできるのです。
また笑うと脳への血流も良くなり、頭の働きも活性化します。まさにいいこと尽くめです。バラエティ番組や面白い動画コンテンツなどを見て、どんどん笑いましょう。毎日の生活に笑いを取りいれることは、健康にもよい影響を与えます。
もう、しんどさを溜めこまないために、対策をしよう
心の負担をためこんでしまうと、相手を思いやる余裕が無くなってしまいます。心がしんどくなりやすい人は優しい性格であることが多いため、人につらく当たってしまう自分に自己嫌悪を感じてしまうでしょう。
自分にも相手のためにも「心を健やかに保つ」ことを最優先で取りくむことが大切です。心に余裕があるからこそ、周りに気を遣えます。自分を大切にできているから人を助けられて、幸せや感謝の輪が広がります。
理想的な生活や人間関係のために、しんどさを定期的に解消する方法を考えましょう。
気持ちを穏やかに保つためのヒント
心のコントロールができる人は、自分の感情を上手に扱える人です。気持ちを穏やかに保てば冷静さを失わず、自分にも他人にも優しくできます。そして、情緒が安定しているからこそ、ポジティブな気持ちで日々を暮らすことができるでしょう。
心がしんどい人のために、気持ちを穏やかに保つためのヒントを5つご紹介します。内容をそのまま当てはめて試すのではなく、自分のやりやすい方法にアレンジして活用してみてくださいね。やり方自体に縛られるのではなく、あなたの心が最も穏やかな状態になる方法を探しましょう。
1.人が考える幸せを求めず、自分が思う幸せを大切にしよう
気持ちを穏やかに保つためには、自分の人生を生きている「納得感」が必要です。納得ができない人生を送っていると罪悪感や焦燥感に悩まされ、心がしんどくなるもの。納得のいく人生を送るためには、幸せの基準を他人ではなく自分に置くことが大切です。
人にどう見られているかよりも、自分が「こうしたい」と思う行動をするよう努めましょう。幸せは自分で決めるものであり、人から定められるものではありません。周りの顔色を気にしない毎日は、自分らしく心が穏やかに過ごせます。
2.つらい人間関係は断ち切ろう
あなたのことを大切にしてくれない人に対して、必要以上の気を遣う必要はありません。ここでいう「必要」とは、業務上のやり取りや社交辞令などの「社会生活の上で最低限必要なコミュニケーション」を指します。
人間関係に心を痛めているのなら、つらい人間関係に無闇に関わる必要は無いのです。自分から距離を取り、明るい気持ちになれる人だけと関わるようにしましょう。特に人の悪口や陰口で盛りあがるコミュニティからは離れ、ポジティブな気持ちを感じられる場所にいてくださいね。
3.人のことを受け止めすぎず、うまく距離を取ろう
相手を理解しようとする気持ちはとても大切です。しかし、人は自分以外の人間を完全に理解することはできません。相手の気持ちを受け止めすぎて疲れてしまっている時は、無理にすべてを理解しようとせず、上手に距離を取ることも必要です。
人にはそれぞれ適切な距離感があります。「ここから先には入ってきてほしくない」と感じるボーダーラインも、人によってさまざまです。相手があなたのボーダーラインに入ってきたら、距離を取ることが大切。それは心のための自衛であり、悪いことではありません。
4.疲れを感じたら時々休む。そして、休む自分を肯定してあげよう
頑張り屋で努力家な人ほど、休むことに臆病になります。休んだら「サボっている」と思われないか、自分が忘れられてしまうのではないか、置いていかれるのではないか。多くの不安が頭をよぎり、本来は休むべきタイミングでも無理して体を動かしてしまいがちです。
しかし、ベストパフォーマンスを出すためには休息は絶対に必要なこと。「疲れたら休む」のが健康の基本です。休む選択肢を選べる人は冷静であり、セルフコントロールが上手にできる能力を持っています。休む自分に厳しくせず、肯定してあげてくださいね。
5.自分で自分を認めてあげよう
自分のことを本当に理解して愛してあげられるのは、自分だけです。他人に認められるために頑張るのではなく、ここまで頑張ってきた自分自身を褒め、認めてあげましょう。途中で休んだとしても、ここまで努力を重ねてきた事実は消えません。
心身が回復するまで休んだ後に、今まで頑張ってきた努力の実績をまた手に持ち、再び歩きだせばいいのです。歩みつづけるためには、体にも心にも体力が必要です。まずは「頑張ってきた自分」と「ありのままの自分」を認めて、優しく接してあげてくださいね。
焦りを捨てて、自分のペースで生きて
今回は、心がしんどくなる理由や対処方法などをご紹介しました。
心がしんどくなりやすい人は、相手の気持ちを深く想像したり、気遣いができたりする優しい人です。また、自分に厳しい人や意識を高く持って日々を過ごしている人でもあります。感受性が豊かであることは、決して短所ではありません。
自分を否定せずに、肯定してあげてくださいね。その上で、より幸福感を持って生きていけるようにメンタルをコントロールするスキルを身につければ、あなたはより自分らしく、笑顔で生きていけるでしょう。
「人生はこうでなくては」というルールはありません。焦りを捨てて、自分のペースで生活していきましょう。
※この記事は、悩んでいる方に寄り添いたいという想いや、筆者の体験に基づいた内容で、法的な正確さを保証するものではありません。サイトの情報に基づいて行動する場合は、カウンセラー・医師等とご相談の上、ご自身の判断・責任で行うようにしましょう。