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心に余裕を持てる人格者になりたい
毎日の忙しさやストレスの中で「心に余裕がない……」と悩んでいる人は少なくありません。心に余裕がなくなるとイライラしやすくなり、心配をしてくれた相手につい強く当たってしまうこともあるでしょう。
物事に悲観的になり、自己嫌悪を感じてさらに心に余裕がなくなるという悪循環にはまりがちです。心の余裕がなくならない、もしくは余裕がなくなっても上手に対応ができる「人格者」になりたいと思っている人も多いのではないでしょうか。
そして「人格者」になるためには「人間力」を鍛える必要があります。今回は、人間力の意味や特徴、人間力を高める方法などをご紹介します。人間力を磨いて自律やコミュニケーション力を学び、周囲から尊敬されるような「余裕のある人」を目指しましょう。
人間力とは?
人間力の意味は、平成15年4月10日に内閣府が発表した「人間力戦略研究会報告書」に詳しく記載されています。人間力戦略研究会報告書の内容によると、人間力とは「社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力」を指しています。
つまり経済的にも精神的にも他者に依存をせずに、一人の人間として自立できているかどうかが「人間力」といえるでしょう。人間力がある人は自分だけではなく周囲を幸福にする力があり、確固とした意志を持って社会で生きぬくことができます。
「人間力を鍛える」ということは、あらゆる意味で自立をした暮らしのための努力をする、という意味でもあります。また他者に依存せず生活をするだけではなく「社会を構成し運営すること」も重要な要素であるため、労働や社会活動を通して社会貢献をしていることが必要です。
人格者の定義・人間力を構成する要素
人間力を高めるためには、人格を磨くことが必要です。とはいえ人間力も人格も目に見えるものではないため、どのように向上させるべきかイメージが付きづらい人も多いのではないでしょうか。
ここでは、人格者の定義である3つの要素をご紹介します。どの要素も人間力を構成するために必要であるため、自分と照らしあわせながら振りかえってみましょう。以下の要素を自覚して見つめなおすことで、人間力の上げ方のヒントになります。
1.社会・対人関係スキル要素
社会・対人関係スキル的要素は、以下の5つにより構成されています。
- コミュニケーション力(自分とは違う世代や文化の相手とも理解しあえる)
- リーダーシップ(チームを率いて目標達成に導く)
- 公共心(社会の利益を考えて行動ができる)
- 規範意識(規律を守り行動ができる)
- 相互啓発力(他人を尊重し、共に支え刺激しあいながらお互いを高めあえる)
ただ「人と仲良くできる」だけではなく、切磋琢磨をしあえる関係性を築けたり、周囲に流されずモラルやルールを守れたり、リーダーに依存せずに自らが集団を導けたりする力が必要です。
2.知的能力要素
知的能力要素は、以下の4つにより構成されています。
- 基礎学力
- 専門的な知識
- 論理的思考力(情報を集めて論理的に分析して表現をする力)
- 創造力(新しい価値や行動・様式を生みだす力)
複数の知的能力要素を組みあわせることで独自性の高いアイデアを創造し、社会に新しい発展をもたらせる力です。学習や経験を過去の出来事だけで終わらせずに、未来へとつなげていくために必要な力といえるでしょう。
3.自己制御的要素
自己制御的要素は、以下の3つにより構成されています。
- 意欲(学習・就業・目標・社会参加におけるモチベーション)
- 忍耐力(強い信念を持ち、何事にも根気づよく取りくむ)
- 自己受容・自己実現力(自分らしい生き方や成功の形を設定し、実際に追求する)
自己制御と聞くと「自分の欲求を抑え込む」のようなイメージを持つかもしれませんが、実際は違います。夢や目標の実現のために社会生活におけるモチベーションを持ち、忍耐を持って取りくむエネルギーそのものなのです。