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何をしても楽しくない…楽しいと感じない…
今まで楽しいと思っていたことが楽しめなくなってしまうと、ストレスや不安を感じてしまいますよね。無気力になってしまう原因は、体・心・環境など人によってさまざまです。
今回は「何をしても楽しくない」と思う原因や考えられる精神疾患などをご紹介します。漠然と不安や虚無感を抱いている方は、原因を理解するだけでも気持ちが楽になる可能性があります。自分を見つめなおしながら、適切な対処を見つけていきましょう。
全てに対して無気力。何をしても楽しくない原因とは?
「何をしても楽しくない」と思ってしまう原因は、主に「肉体的原因」「精神的原因」「環境的原因」の3つに分けられます。
肉体的原因
仕事や家事、育児、勉学などの「やらなくてはいけないこと」で体が疲れてしまった状態です。楽しいことをしても「楽しめる体の準備が整っていない状態」であるため、趣味や娯楽に手を出す前に「まずは体を休めたい」と感じています。また以前より疲れやすくなっている場合は、糖尿病や甲状腺疾患などの深刻な病気が隠れている可能性もあるでしょう。
参考:ドクターズファイル「疲れやすいの原因と考えられる病気一覧」
精神的原因
精神的要因とは、物事を楽しめる性格や心境ではないことを指します。たとえば、極度な心配性の性格をしている人は、楽しさよりも不安が勝ってしまい楽しむことが苦手です。元々楽しめていたことに興味がなくなっている人は、ストレスを抱え込んでいる可能性も。また、明確な悩みや不安がずっと心に引っかかっていて、物事を心から楽しめない状態になっている場合もあるでしょう。
環境的原因
心も体も健康なのに「何も楽しめない」という人は、環境的な要因が関わっている可能性があります。例えば、「楽しさを共有する人がいない」「変化のない生活のため退屈している」などの理由です。また同じ仕事を繰りかえす毎日にストレスがたまっていたり、将来の見えない仕事を嫌々な気持ちで続けていたりなど、日々の仕事がつまらないと感じている場合は心の感性も鈍りがちになります。
心の病気が原因の場合も…想定される心の病気(精神疾患)
「何をしても楽しくない」状態が続く場合、疾患による抑うつ・無気力状態を抱えている可能性もあります。ここでは「何をしても楽しくない」と感じている人が患っている可能性のある代表的な精神疾患についてご紹介します。自分の状態を客観視しながら照らしあわせてみましょう。
1.うつ病
うつ病では「一日を通して気分が落ち込む」「何をしても楽しめない」などの症状が現れます。また精神的な落ち込みだけではなく、食欲がなかったり疲れやすかったりなど身体的な症状が出ることも特徴的です。
うつ病は100人に約6人が発症する病気とされており、私たちにとって身近な病気です。また男性よりも女性の発症率のほうが約1.6倍多いことがわかっています。悲しい出来事を経験するだけではなく、妊娠や出産、引っ越し、就職、結婚など「ライフステージの変化」に応じて発症しやすくなります。
参考:厚生労働省「うつ病」
2.適応障害
適応障害では、憂鬱な気分や不安感が強くなる症状が特徴的です。特定の出来事や状況においてつらく耐えがたい苦しみを感じ、気分や行動面に症状が現れます。適応障害の発症は、ストレスにより引きおこされることが定義とされています。
抑うつ気分の他には怒りや焦りなどのネガティブな感情を感じることが特徴です。身体面では発汗や眩暈、動悸などの変化が現れます。うつ病との違いは、ストレスの原因から離れることで症状が改善することが多い傾向にある点です。
参考:心療内科・精神化・内科 医療法人 池澤クリニック「病気解説 適応障害」
3.双極性障害
双極性障害は、うつ状態と躁状態を繰りかえす病気です。躁状態のときは気力に満ちあふれて活動的ですが、うつ状態のときは無気力で落ち込む時期が続きます。
2つの状態を定期的に往復するため、躁状態で「もう病気は治った」と勘違いしやすいことも特徴です。うつ状態では無気力を感じやすく、うつ病と同じような悲観的な思考状態が続きます。
4.PTSD
PTSDは、命が脅かされるほどショッキングな出来事や怪我などにより、精神的苦痛が長時間続く障害です。該当する出来事が何度も頭の中でフラッシュバックをしたり、思考や気分に悪影響を与えたりする症状が特徴です。
記憶の想起は自分でコントロールができず、夢の中に現れることもあります。また日常的に感覚が麻痺する症状が現れ、無気力な状態になってしまうことも。さらにPTSDはうつ病の併発もしやすいとされています。