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なぜ、嘘をついてしまうのか…
誠実に生きているつもりでも、誰でもつい小さな嘘をついてしまうことがあるでしょう。日常の中で嘘をつく理由は、誰かを庇うためだったり、少し見栄を張るためだったり。人を傷つけない嘘であれば、大きな問題は起きないことがほとんどです。
しかし、中には明らかに事実とは違う内容をあたかも真実のように話す人がいます。また嘘はひとつではなく、何十何百もの小さな嘘で固められていることも。嘘をつくのを自分で止めたくても止められない状態は「虚言癖」と呼ばれます。
今回は、虚言癖の意味や原因、対処法についてご紹介します。虚言癖は、エスカレートすることで大きなトラブルや犯罪行為につながってしまう可能性も。危険性を知り、一日でも早い改善を目指しましょう。
参考:ブレインクリニック「虚言癖とパーソナリティ障害の関係性について解説」
虚言癖とは?
虚言癖は、嘘をつきたくないのにどうしても嘘をついてしまう人間の性質です。虚言癖には、本人の中で嘘だという自覚がある上で嘘をつく場合と、嘘を真実だと思いこんで事実とは異なる内容を話してしまう場合の2種類がありますが、一般的には前者を指します。
虚言癖に至る原因はさまざまですが、症状を持つ人は以下の性格を持っている傾向にあります。
- 目立ちたがり屋:自分が注目されるために嘘をつく
- 頑固で意地を張りがち:周囲の意見を聞きいれず自分の意見を通そうとする
- 他人の気持ちを想像できない:自分の嘘によって相手がどう感じるかを考えられない
- プライドが高い:自分を大きく見せるために嘘をつく
- 寂しがり屋:自分の周りに人を寄せるために嘘をつく
上記の通り、虚言癖による嘘は「他人をおとしめるための嘘」ではなく「自分を主張するための嘘」であることがほとんどです。いかなる場合も嘘がばれたときには社会的制裁を受けたり、信頼を失ったりするリスクがあります。また虚言癖によりコミュニティから疎外された人は、新しいコミュニティでも同じように嘘を繰りかえす傾向にあります。
参考:ブレインクリニック「虚言癖とパーソナリティ障害の関係性について解説」
虚言癖の主な原因
虚言癖の原因は本人の性格や育った環境によることが多く、トラウマを解消したり心の隙間を埋める対象に出会ったりしない限りは、なかなか改善されません。
たとえば幼少期に親から十分な愛情を受けなかった子どもは、嘘をついて自分に注目を集めることで愛情を確認したがります。反対に、小さい頃から注目と愛情を浴びながら過ごした子どもは、愛されることが当然という感覚を持ったまま大人になるため、自分が注目されなくなることを恐れて嘘をつく場合もあるでしょう。
特定の精神疾患を患っている人も症状のひとつとして嘘をつきます。精神疾患によっては自分が嘘をついていると自覚が持てず、会話をするほど他者が遠ざかり強い孤独感を抱いているケースもあります。
参考:ブレインクリニック「虚言癖とパーソナリティ障害の関係性について解説」
虚言癖の症状から考えられる病気(精神疾患)
虚言癖を伴う精神疾患として挙げられるのが「演技性パーソナリティ障害」です。パーソナリティ障害(周囲とは違う反応や行動により苦しんだり、周囲が困ったりする場合に診断される精神疾患)のひとつであり、周りの注目を引きたいという強い欲求が特徴的です。
自分が注目の的になっていないときに不快感を抱くため、不適切に誘惑的・挑発的なコミュニケーションを行います。他者の興味や注目をつなぎとめるための方法のひとつが嘘であり、自分を大きく見せたり相手に「守りたい」と思わせたりするために、事実とは違う内容を話す傾向にあります。
同じくパーソナリティ障害のひとつである「反社会性パーソナリティ障害」では、注目や興味ではなく利益や欲求のために嘘をつき、他人を引きよせることが特徴です。相手を騙して金銭を奪ったり、年齢を詐称して異性に近づいたりといった行動をとります。