目次
「必要とされたい」は当たり前の欲求
過度な承認欲求は、人間関係のトラブルを生む要因になります。しかし、他者から認められたいと思う気持ち自体は決して悪いことではありません。人間として当たり前に持っている欲求です。
アメリカの心理学者・アブラハム・マズローによると、人間の欲求は5段階のピラミッドで表されるといわれています。マズローは、人間の欲求は以下に記載された1番の内容から順番に満たされていくと考えました。
- 生理的欲求
- 安全の欲求
- 社会的欲求
- 承認欲求
- 自己実現欲求
1番の生理的欲求を底辺、5番の自己実現欲求を頂点とし、5段階のピラミッド構造で表された心理学理論を「マズローの欲求5段階説」といいます。
マズローの欲求5段階説に基づいて考えると、私たちの承認欲求の最終到達点は自己実現。つまり、理想の自分の実現の先にある幸福や充実感です。その過程にある承認欲求は決して邪(よこしま)な感情ではなく、幸福という名のゴールに到達するために必要な中継地点だといえます。
また以下の記事では、承認欲求が強い人の心理や原因についてまとめています。自己理解を進めるためにも、ぜひ参考にしてくださいね。
参考:VISIONS「マズローの欲求5段階説を活用したインナーブランディングの考え方」
誰かに必要とされたい、苦しいときの対処法
誰かに必要とされたい気持ちのまま、孤独感を抱えて生活をするのは苦しいものです。また、自分の価値を自分で決められないままでは、いつまでも孤独を感じてしまうでしょう。自分を求めてくれる相手を探すことも大切ですが、自分を肯定する力を身につけることで、長期的に安心感や幸福を得られます。
ここでは、誰かに必要とされたいときの対処法を4つご紹介します。焦りながら手に入れた人間関係は、短い期間で終わってしまいがちです。深く硬い絆で結ばれた信頼関係を得るためにも、自分のペースを守りながら行動していきましょう。
1.自分から行動する
誰かに必要とされるためには、自分から行動を起こす必要があります。必要としてくれる誰かをじっと待っていても、都合よく相手は現れないものです。また容姿や肩書きを見て近づいてくる人とは、表面的な関係性になりがちです。
必要とされたいのであれば、必要とされそうなコミュニティを自分の力で探しましょう。自分のスキルや能力を活かせそうな場所にアピールをしたり、新しい人との出会いのために自分を磨いたりすることをおすすめします。
2.目の前の仕事や趣味に没頭する
人から必要とされるためには、必要とされるに十分な能力を持っていることが大切です。能力の中には優しさやユニークさなどの性格的な要素もありますが、仕事上のスキルや知識など努力で工場させられる要素もあります。
まずは目の前の仕事や趣味に没頭することで、自分ならではの能力を高めていきましょう。周囲にアピールできる武器が増えることで、注目を浴びるきっかけにもなります。
3.ボランティアなど社会貢献活動をする
承認欲求は、人から感謝をされる形でも満たすことが可能です。困っている人たちを助けるためのボランティアに参加し、損得勘定のない感謝を集めましょう。純粋な「ありがとう」の言葉には、埋まらない心を満たしてくれる温かいパワーがあります。
ボランティア活動は個人が募集しているものもありますが、市区町村のボランティアセンターを訪ねることで募集要項を確認することも可能です。特別なスキルがなくても、やる気や元気があるだけで参加できるものが多く募集されています。
4.小さな成功体験を積み上げて、自信をつける
誰かに必要とされたい気持ちは、自分への自信のなさから生じている可能性もあります。自己肯定感を養うために、小さな成功体験を積み上げて自分への信頼を上げていきましょう。
自分に自信が持てれば、自己価値を自分で決める力が付きます。「自分は能力のある人間だ」と信じられることで、「必要とされない人間かもしれない」という不安を否定することができるでしょう。
必要とされたい欲求を受け入れて、行動に活かそう!
今回は、誰かに必要とされたい心理や対処法などをご紹介しました。
承認欲求は、誰にでも当たり前にあるものです。欲求が暴走すると周りに迷惑をかけてしまいますが、自分も周りも幸せになれる方法で欲求を満たすことで、自己肯定感が上がり自分に自信を持てるようになります。
必要とされたい気持ちを素直に受けとめて、行動力に変えることが大切です。優しさや楽しさを与えられる人間を目指し、感謝や尊敬の形で承認欲求を満たせれば、あなたを中心としたポジティブな感情はどんどん広がっていくでしょう。
※この記事は、悩んでいる方に寄り添いたいという想いや、筆者の体験に基づいた内容で、法的な正確さを保証するものではありません。サイトの情報に基づいて行動する場合は、カウンセラー・医師等とご相談の上、ご自身の判断・責任で行うようにしましょう。