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自分がわからない…自分の気持ちがわからない…
周囲に合わせすぎたり、多忙な日々が続いたりすると自分の気持ちがわからないと感じる人も少なくありません。誰しもがふとした瞬間に「自分の感情がわからない」と感じるものです。
自分の気持ちを見失うことに不安を感じる人もいるかと思います。自分を見失い、不安を抱えたときには自分の気持ちや感情と向き合う時間を積極的に作ってみましょう。
家族や友人に自分の感情を言葉にして話す時間や1人でゆっくり過ごす時間を作るなど、ご自身の今の生活で試しやすい方法をぜひ探してみてくださいね。本記事では、自分の気持ちがわからない原因と自分の気持ちに向き合う方法をご紹介します。
自分の感情がわからない主な原因
自分の気持ちがわからない人の中には、自分よりも周りの人を優先しすぎている場合があります。周囲からの期待に応えなくてはならないと自分自身にプレッシャーをかけている人もいるでしょう。
一方、精神疾患が原因で感情をうまく言葉にできない生活が続くうちに、自分の感情がわからないと感じる場合もあります。自分と向き合う時間を過ごしても感情がわからない悩みが続く場合には、精神科や心療内科に早めに受診するようにしましょう。
1.人に合わせすぎて本当の自分を忘れた
周りの意見に合わせすぎるうちに、自分の意見を見失うことがあります。周囲からの評価だけで自分の価値を決めず、自分自身を肯定的に捉えることが大切です。周りの期待から、「自分はこうするべき」と使命感やプレッシャーを強く持ちすぎないように意識してみましょう。
幼少期から親や周囲の人の顔色を気にしてきた人も、自分の気持ちがわからないと感じやすいです。自分自身を大切にするために、これまでの人生を振り返ったり、自分の長所や短所を書き出したりするのもおすすめです。
自分がどうするべきかを見つめるときは、「自分はどうしたいのか」という視点も一緒に待つようにしてみましょう。
2.忙殺されるあまり、自分らしさを忘れてしまった
十分な休息を取れず、多忙な日々を過ごしていることも、自分の気持ちがわからないと感じる原因です。頑張りすぎが長期間続くと、心の不調を抱えやすくなります。やるべきことに追われていると、自分のことが後回しになりやすいもの。
自分のことを後回しにすることは、自分の感情を抑圧している状態ともいえます。自分を抑圧しすぎると、感情と行動の不一致が生じます。「自分は本当にこんな働き方や生き方がしたいのだろうか」と疑問を感じ、自分の気持ちがわからないと思う人も少なくありません。
あらかじめスケジュールの中に休憩をスケジュールに組み入れる、休日は予定を入れすぎないなどの工夫をしてみると良いでしょう。
3.HSPや精神疾患を抱えている可能性も
自分の感情がわからない人の中には、精神疾患や生まれつきの気質が原因となっている場合もあります。精神疾患には「失感情症(アレキシサイミア)」「統合失調症」、生まれつきの気質には「HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)」が挙げられます。
「失感情症」とは、「感情を認知することができない障害」です。自分の感情に気づかない、他者に自身が感じていることを言語化して伝えられないという特徴があります。ストレスを抱えていてもストレスを認知できない病気です。自分の内面よりも事実に関心を寄せやすいといわれています。
「統合失調症」とは、脳の働きに不調をきたす病気です。陽性症状には幻覚や妄想、自我障害、陰性症状には意欲や思考力の低下が挙げられます。自我障害は自分と他人の境界線がわかりにくくなるため、自分の感情を見失いやすいといえます。
「HSP」とは、神経が繊細で感受性が強い性質を生まれつき持つ人を指します。約5人に1人の割合でHSP気質を持っているといわれています。HSPの特徴である感受性の強さは音や刺激に過敏になるだけでなく、相手の感情の影響も受けやすいため自分の気持ちがわからない状態につながりやすいのです。HSPは性質であり病気ではありません。
自分の気持ちがわからない悩みを長期間にわたって抱えている人は、一度精神科や心療内科の先生へ相談してみることをおすすめします。
参考:厚生労働省e-ヘルスネット「失感情症(アレキサイミア)」
参考:サワイ健康推進課「心が疲れやすくて生きづらい…それは「HSP」かもしれません」
気持ちがわからない時の心理とは?
自分の気持ちがわからないときの心理状態として、「自己肯定感が低い」「プライドが高い」「完璧主義」などが挙げられます。
自己肯定感が低いと、自分の短所ばかりが気になり長所が見つけにくくなります。自分の長所も短所も「自分自身」であるとありのままの自分を認めてあげることが大切です。
プライドの高い人は、自分へのプレッシャーが強すぎると考えられます。プライドの高さゆえに、受け入れられない自分の短所や苦手なことを隠そうとします。本来の自分のやりたいことや感情にフタをして生活している人も少なくありません。
完璧主義は、これから自分がどうしたいかという内面よりも、周囲に評価される完璧な自分自身を重要視している場合があります。周囲への期待に対して期待以上で応えようとするうちに自分の気持ちがわからないと感じているといえるでしょう。
自分の気持ち・感情と向き合う方法
自分の気持ちがわからない原因について紹介してきました。感情や自分らしさがわからないと感じたときには、自分の気持ちや感情と向き合う時間を確保してみましょう。
自分の気持ちがわからないときには、「気持ちがわかない原因を把握する」、「気持ちを言語化する」、「自分を取り戻す時間を作る」の3つの方法を試してみてください。それぞれの方法をご紹介します。
1.自分の気持ちがわからなくなった原因を見つける
自分の気持ちがわからないと感じたときには、自分の気持ちを見失った原因を探してみましょう。具体的な方法として、これまでの経験を思い出し、原因に考えられる出来事を紙に書き出してみてください。
例えば、「幼少期過保護に育てられた」「仕事で頼まれごとを断ったら嫌な顔をされた」なども自分の気持ちがわからなくなった原因として考えられます。自分の意思で選択する機会を増やす、断るときに理由を添えるなど見つけた原因から対処策を考えてみましょう。
2.友人や家族に相談しながら、自分の気持ちを言語化する
自分の気持ちがわからないことに不安を感じるときは、自分の気持ちを言葉にしてみてください。友人や家族など、気心の知れている相手に思うままに自分の感情を吐き出すことで、自分はどんなふうに感じているのか気づきが得られるでしょう。
「実はこう感じている」「本当はこんなことをしてみたい」など今まで口にしていなかった内容を話すことを意識してみるのもおすすめです。
3.休暇を取り、自分を取り戻す時間を設ける
自分のこれから先の人生を考え、大きな決断をしようとしているときに、自分の気持ちがわからないと感じる人もいるかと思います。自分と向き合う時間作りを目的として、1人で旅に出かけたり、近くのカフェでゆっくり過ごしたりしてみる方法もひとつです。
自分自身と対話するように、どんな働き方がしたいのか、何をしてみたいのかなどを一問一答形式でノートに書き出してみるのもおすすめです。自分のやりたいことが見えてきたら、マインドマップも作ってみましょう。マインドマップで自分の感情や気持ちを深掘りしてみてくださいね。
自分とだけは一生一緒に生きていかなければいけない。愛せるようになろう
自分の気持ちがわからないと感じる瞬間は人それぞれですが、わからなくなった何かしらの原因はあるはずです。自分の感情がわからなくなったきっかけは何かを考えたり、休日に1人の時間を過ごしたりして、自分自身と向き合う時間を大切にしてみましょう。
自分と向き合う時間は、自分の理想の働き方や生き方、自分が今後何をしたいのかなどを明確にすることができます。自分の感情や気持ちを理解することにつながるでしょう。
本記事では、自分の気持ちがわからないときに試してほしい自分と向き合う方法についてご紹介しました。自分の気持ちがわからないという悩みから解放され、自分らしく生活できるようになり自分自身のありのままを受け入れられるようになっていくことを願っています。
※この記事は、悩んでいる方に寄り添いたいという想いや、筆者の体験に基づいた内容で、法的な正確さを保証するものではありません。サイトの情報に基づいて行動する場合は、カウンセラー・医師等とご相談の上、ご自身の判断・責任で行うようにしましょう。