目次
自分を犠牲にすることのデメリットとは
自己犠牲を続けることにはデメリットがあります。相手ばかりを優先しすぎることはストレスがたまる原因になったり、自分で物事を決められなくなったりします。
自己犠牲の考え方が強すぎると、日常生活に支障が出てくる場合もあります。今よりも自分自身も大切にできるように自己犠牲によるデメリットも理解を深めていきましょう。
1.ストレスがたまってしまう
自己犠牲とは、自分の気持ちや感情を我慢することです。我慢ばかりの日々では心身にストレスが蓄積されていきます。日常生活で感じるストレスは「頑張ることにより感じるストレス」と「我慢することで感じるストレス」の2種類に分類されます。
自己犠牲の考えでたまるストレスは後者の「我慢することで感じるストレス」といえます。仕事や家庭内で、自分だけ我慢すればいいと感情にフタをし続けると、かえってストレスへの耐性が弱まっていきます。
ストレスへの対処がうまくできなくなることで、仕事でのヒヤリハットの増加や頭痛や腹痛などの身体症状も現れてしまうのです。
参考:新宿ストレスクリニック「キラーストレスとは?我慢のしすぎとうつ病について」
2.相手に依存してしまう
自分よりも周りの人の考えや意見を尊重しすぎてしまうと、「自分が本当はどうしたいのか」といった自分の意見を見失いやすくなります。自分自身を見失ってしまうと、自分1人で物事を決定することにハードルの高さを感じやすくなり、決定権を相手に任せてしまいます。
自分で物事を決められないことから、相手の判断待ちになり依存関係にもなり得るのです。自己犠牲的な考えのまま生活を続けるうちに、自分の気持ちがわからないという状況にもつながりかねません。
3.「都合の良い存在」として人に利用されてしまう
自分が我慢すればいいと意見を言わずにいると、「この人はなんでも思い通りにさせてくれる」と都合の良い存在として見られやすくなります。相手の意見を尊重することと、なんでも望みを聞き入れることは違います。
できないことはできないとはっきり断り、自分の考えを相手に伝えることが大切です。
4.抱え込みすぎて失敗してしまう
自己犠牲の考え方が強い人は、自分ですべてなんとかしなくてはならないと思ってしまう人も少なくありません。小さなタスクも大きなタスクもすべて自分1人で背負い込んでしまうため、結果として自分のキャパを越えてしまい、失敗して自己嫌悪になる人もいるでしょう。
たとえば、他の業務に追われているのに、追加で依頼された仕事を断れずに引き受けてしまうことが具体例として挙げられます。責任感が強いためなかなか人に手伝って欲しいと声に出せない点も悪循環に陥る要因のひとつです。
はっきりと断る言葉が見つけられないときには、「今抱えている他の仕事の次に着手するので、完了は1週間後になるが問題ないか」といったようにスケジュールをすり合わせすることを意識してみてください。
「自分が我慢すれば…」自己犠牲の考え方を変えよう!
相手への思いやりや優しさと自己犠牲は似て非なるものです。相手を思った行動は長所であり魅力のひとつです。しかし、自己犠牲の考え方では、相手と自分がwin-winの関係になりづらいでしょう。
まずは自分の長所を最大限に活かしながら、自分にも思いやりの心を持つことを大切にしてみてください。すぐにできることには「すぐに返事をしない」「自分の意見を伝える習慣をつける」などがあります。
「すぐに返事をしない」とは、今の自分でできるかどうかを検討する時間を確保することです。すぐに「できる」と返事をしてしまうと、抱え込みすぎにつながりキャパオーバーしやすくなります。自分が今置かれている状況を客観的に把握する癖をつけるのがおすすめです。
客観的に自分の状況を把握できるようになると、依頼されたことはどのくらいの時間が必要か、最後まで責任を持って遂行できるかなども見えてくるでしょう。
「自分の意見を伝える習慣をつける」とは、選択権を相手だけでなく自分にも持たせることです。相手の意見をしっかり聞いた上で、自分はどうしたいのかといった価値観や考えを伝えるように意識してみましょう。
双方の意見を出し合ってから折り合いをつけることで、より良い選択ができるのです。