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理由がわからないのに、気持ちが沈む…
悲しい出来事を経験したら、落ち込んでしまうのは当然です。しかし、特に思い当たる節がないのにもかかわらず気持ちが沈んでいたり涙が出てしまったりする場合は、心身の休息が必要だといえます。
今回は、気持ちが落ち込んでしまう原因や対処法などをご紹介します。自分の心のペースを大切にしながら、一歩ずつ無理をしないように進んでいきましょう。
気分の落ち込みが激しい原因として考えられる病気・精神疾患
ここでは、気分の落ち込みが激しい原因として考えられる病気や精神疾患を5つご紹介します。とくに嫌な出来事が起きたわけでもないのに気分が落ち込んでいたり、何日経っても心が晴れなかったりする場合は、心のメンテナンスが必要かもしれません。
1.更年期障害
更年期障害は、40代以降の男女に見られる心身の不調や情緒不安定などの症状を指します。自律神経失調症と似た症状で、イライラや不安、うつ症状、不眠などが現れます。ホルモンの関係上、女性のほうが症状が現れやすいことも特徴です。
初期にはだるさや寝付けない症状に悩まされ、自分の体をコントロールできないことでストレスがたまります。また、のぼせや動悸、息切れ、発汗などの症状も現れます。以前と変わらないライフスタイルでも発症するため、原因がわからずに発見が遅れることも。
参考:厚生労働省「更年期障害」
2.PMS
PMSは月経前症候群を指し、女性の月経前3~10日間続く心身の不調です。月経が始まると症状が軽くなり、人によっては消失します。代表的な症状には、情緒不安定やイライラ、不安、抑うつ、集中力の低下、眠気、頭痛、腹痛、腰痛などが挙げられます。
理由もなく悲しくなったり無性にイライラしたりなど、自分ではどうすることもできない感情の乱れに悩まされる傾向に。PMSの症状と月経の周期を理解することで対策が可能ですが、生活に支障が出るほどつらいときには投薬や漢方などを使用しましょう。
参考:公益社団法人 日本産科婦人科学会「月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)」
3.変換症
変換症は、転換性障害とも呼ばれる疾患です。不安や葛藤などの精神的なストレスが原因となり、身体的な症状として現れます。手足の麻痺や体の感覚の喪失、神経系の機能障害、けいれんのような症状、ものを飲みこみづらくなる症状などが代表的です。
症状自体は身体的なものですが、自分の体を思い通りに動かせないことに強いストレスを感じます。また原因には精神的ストレスが根深く関わっているため、根本的なストレスやトラウマを解消することが必要です。
4.うつ病
うつ病は、何をしても楽しいと思えなかったり、一日中気分が落ち込んでしまったりする症状が特徴的です。他には眠れない、食欲がない、自分を責めてしまう、眠りすぎてしまう、疲れやすいなどの症状が挙げられます。
快方のためには心身の休息をしっかりと取ることが必要です。心理士や専門医のサポートをもとに、症状によっては薬物療法や精神療法などの治療を行うこともあります。重症化すると死んでしまいたいほどの苦しみを感じる傾向にあるため、早期発見と治療が重要です。
参考:厚生労働省「うつ病」
5.双極性障害
双極性障害では、うつ病のような状態とハイな状態(躁状態)が交互に繰りかえされます。気分が落ち込む時期と元気な時期に波がある場合は、双極性障害を患っている可能性を考えましょう。
躁状態になると、うつ状態の苦しみを過去のものと考えてしまいがちです。しかし治療を行わない限りはいつしか再び気分の波が訪れ、落ち込む時期を繰り返します。