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向上心がないって、悪いことなの?
向上心とは、現状に満足せず、より優れたものやより高いものを目指して努力する心をいいます。向上心があると、仕事も主体的に進められて、評価も高まるでしょう。「向上心がある」は褒め言葉である一方で、「向上心がない」はネガティブな印象を受ける人もいるのではないでしょうか。
向上心がないのは悪いことではなく、個性のひとつです。向上心がない人は競争のギスギスした雰囲気が苦手だったり、反対に言われたことをやり遂げるのが得意だったりします。無理やり向上心を持って仕事をしようとしても、心が疲れてしまうのです。
性格に合わない行動は結果につながりにくく、自己嫌悪に陥ってしまう場合も。無理やり向上心を持とうとするのは、あまりおすすめしません。
向上心がない人の心理とは?
向上心がない人の心理は大きく分けて2つあります。
1.現状に満足していて、向上心を持つ必要がない人
生活や仕事に不満がなく、現状に満足している人には向上心がありません。「昇給してもっと広い家に引っ越すぞ」「もっとやりがいのある仕事をやってみたい」のように、今より良くなりたいというモチベーションがないからです。
周りからは「欲がない」といわれることもあります。向上心がない人は今の自分で十分と考えているので、まわりに嫉妬したり、焦ったりすることも少ないです。向上心がない人は基本的に心が安定していて、影響されにくく、自分の軸を持っている人といえます。
2.自分に自信がなく、向上心を持ちたくても持てない人
小さい頃の環境や、職場でのトラウマなどが原因で自己肯定感が低い人は、なかなか向上心を持てない傾向にあります。「どうせ自分はなにもできない」と思い込んで、現状を良くする行動を起こせないのです。
環境や過去の経験が原因で向上心を持てない人は自分に自信がなく、状況をネガティブに捉えがちです。小さな成功体験を何度も経験して自信を積み重ねると、向上心を持てるようになります。
向上心がないことは、悪いことではない!
周りの理解があり、本人が悩んでいないのなら、向上心がないのは悪いことではありません。
向上心がない人は言い換えると、人生の満足度が高く、幸せを感じやすい人です。世間の中の「べき」論ではなく、自分のやりたいことを達成できているのです。
「向上心を持つべき」と思っているなら、自分の人生観を見直してみるとよいでしょう。自分の人生に満足しているなら「向上心がないけれど、このままで大丈夫だろうか」と思い悩む必要はありません。
自分を取り巻く環境に注意を向けると、より過ごしやすくなります。向上心がない人がハングリー精神の強いベンチャー企業のような職場にいると、周りとペースが合わず、お互いつらい思いをすることもあります。成長よりも確実性を求める社風など、自分の居心地のいい環境を選びましょう。
自分が幸せになれる仕事の仕方
向上心がない自分を変えたいなら、小さな向上心を持って仕事に取り組んでみましょう。昇給したい、昇進したい、と役職や結果に目を向けるだけが向上心ではありません。仕事をただこなすのではなく、意識を変えて目の前の仕事に向き合うのも、向上心のひとつです。仕事内容は変えず、仕事の取り組み方を工夫するだけなので、向上心がない人も取り入れやすいでしょう。
1.何のために働いているのか、目的を見つけよう
仕事の目的がわからないと自分の行動に意味を感じられず、落ち込む原因になります。仕事をする目的が見つかると、毎日の仕事に意味を見いだせるのです。
「なぜ今の仕事を選んだか」を振り返ると仕事の目的を見つけやすいです。「お客さんの喜んでいる姿を見たいから」「自分の得意なことで人の役に立ちたいから」など、働く目的を思い出せるかもしれません。
目的とは「なんのため」「なぜ」と、行動の軸となる考えです。目的が見つかると自分の軸に気付けるので、幸せな働き方も見つけやすくなり、より充実感を持って仕事に取り組めます。
2.憧れの人を見つけてみよう
身近に尊敬する人がいるとモチベーションが高まり、仕事にいい影響を与えます。向上心がない人は周りの影響を受けないため、仕事仲間に興味がない場合も多いです。一度、周りの人に意識を向けてみましょう。仕事仲間の得意なことに気づき、憧れの人が見つかるかもしれません。
憧れの人のようになるには、努力や挑戦が必要になることもあります。しかし、尊敬する人に近づけるというモチベーションのおかげで、思った以上にがんばれる自分に気づくでしょう。
注意したいのは、憧れの人のまねをしても、自分と比べないこと。「憧れの人と比べて、わたしは……」と、かえって落ち込む原因になってしまいます。性格、生い立ち、経験した仕事すべてが異なる人と比べても、メリットはないと覚えておきましょう。
3.小さな成功体験を見つけよう
自信がなく、ネガティブな理由から向上心を持てない人もいます。そんな人におすすめなのが、小さな成功体験を積むことです。成功体験は、自己肯定感を上げるのにつながります。
小さな成功体験は、新たに作るだけではなく、日常の中から見つけてみましょう。たとえば、計画通りに進んだ予定は全て成功体験です。「朝起きられた」「電車に間に合った」などで大丈夫。慣れてきたら「1本前の電車に乗ってみよう」「起きたらストレッチをしよう」と、少しずつ挑戦をしてみましょう。「がんばってみようかな」と自然と思えてくるはずです。
4.自分にご褒美を作ろう
ストイックなあまり、自分を褒めるのを忘れていませんか。自分へご褒美を送ったり、ご褒美タイムを作ったりしましょう。金曜日にとっておきの入浴剤を使ったり、月曜日はカフェでモーニングにしたりと、小さなご褒美で大丈夫。1週間の節目でご褒美タイムを作れば、自分を褒めるのが習慣になります。
向上心がない原因には、褒められた経験が少なく自己肯定感が低いことも考えられます。自分で自分を褒めて、自己肯定感を取り戻しましょう。ご褒美は達成感につながり、「ここまでがんばってよかったな」と実感できます。
5.自分のペースで働ける仕事を探そう
向上心がない人が幸せに働くには、環境を整えるのも大切です。向上心がないのを責められる職場は避けて、自分のペースを受け入れてくれる環境や職種を選びましょう。
成長を求める社風やベンチャー企業は、向上心ややる気を求められるので合わない場合もあります。向上心がない人は安定した企業や公務員の仕事を探してみるのも良いでしょう。難しいことにトライするよりも確実性を求められる仕事、同じ作業を繰り返すような仕事もおすすめです。